こんにちは、DCDの上平です。
SVVR(シリコンバレーVR)カンファレンスレポート第二弾として、ヘルスケア領域におけるVRの適用範囲や可能性についてのレポートを行います。
SVVRではセミナー全体の2割強、B2B領域の半分近くがヘルスケア分野に充てられるなど、VRやARの、「ビジネス領域」では、これまでの実績や今後の可能性両面において、医療・ヘルスケア分野への期待が非常に高かったです。
はじめに聞いたセミナーでは、医療分野のVRを30年以上研究されてきた、スタンフォード大学のウォルター・グリーンリーフ教授から、VRの適用範囲について非常に分かり易く説明頂きました。30年以上前から!?と聞いて、とてもびっくりしたのですが、当時は、こんなデバイスで研究を続けておられたそうです。
やはり、近年の技術革新や手の届く金額のヘッドセットやソフトの普及で、VRは急速に進んできているそうです。
グリーンリーフさん曰く、医療やヘルスケア分野への適用範囲は、以下の5点のようです。
・トレーニング(手術、他)
・診断支援
・治療支援
・患者満足度向上
・健康管理
各々の例としては、
トレーニングでは、例えば、バーチャルなロボットを操作し、トレーナーと研修医が、手術の研修を行っている事例。映画アイアンマンの1シーンのようですが、医療機器メーカー大手のPenumbra社が既に商品化しています。
凄いのは、トレーナーも研修医も遠隔から操作できること。トレーナーになる専門医は、世界のどこからでも参加できる仕組みです。
また、看護師さんが、高齢者の患者さんとのコミュニケーションの取り方などを、バーチャル空間で学習できる仕組みも、既に実施されています。
診断支援では、例えば、これまでカルテとX線写真から行って脳の診断を、それら各種情報から、バーチャルな脳に展開する事で、より確かな診断が出来るよう支援したりしています。
治療支援では、例えば、3Dプリンターで手術予定の患者さんの内臓を3Dで作成しそのモデルで手術の練習を何度も行い、本番でのミスを無くす事を目指す事から、
リハビリ支援で、脳卒中後の繰り返しのリハビリ作業を仮想空間で行い、退屈な作業を楽しく、データも取れて改善進捗が自分で分かる仕組みや、
PTSDや精神系疾患などを仮想空間で癒しながら快方に向かう支援をする事まで、幅広い適用領域があるようです。
患者満足度向上では、例えば、病院での不安を削減するために、病院訪問前に、自分が対面する医療チームや、体験する検査などを、事前にリアルに体験できる院内ツアーをVRで用意している病院の事例を紹介されていました。
最後に、健康管理では、ダイエットサポートから、アンガーマネジメントなどのメンタルコントロールなどに活用されています。
全体を通じて、既に実用化されている事に驚きました。これらは、医療分野での適用例ではありますが、他の分野にも展開できる切り口として考えていくと、さらにワクワクします。
また、以前ブログでもご紹介しましたが(詳しくはこちら)、2月にはフロリダで開催された全米最大規模のHealthTechイベント「HIMSS」に行ってまいりました。こちらについての報告を4月17日(月)に弊社で開催するセミナーの中で行います。ご興味がある方はぜひご参加ください。