こんにちは。プランナーの吉田です。12月初旬に都内で開催された「Health2.0 ASIA-JAPAN」というAIやビッグデータなどを用いた、最新ヘルスケア事情を発表するイベントにいってきました。実は、DCDは医療やヘルスケア業界のお客様とのお取引が多く、様々な制作物を作っています。そこで今回は業界の最新情報を得たいと思い参加してきました!DCDブログでは、本イベントのレポートとして「ヘルスケア×IT」の現在と今後の動向を2回に渡りお届けします。(後編の記事はこちらからご覧いただけます)
「Health2.0 ASIA-JAPAN」ってどんなイベント?
2007年にサンフランシスコで始まった「Health2.0」は、医療・ヘルスケア分野における最新のテクノロジー(ヘルステック)とそれを活用した先進事例を紹介する、世界最大規模のグローバル・カンファレンスです。世界7カ国で開かれており、日本では昨年に続き今年も開催され、医師やヘルスケアに関連するIT企業の関係者が集まり、各社での取り組みや今後の動向の紹介、スピーカー同士の白熱したセッションを行いました。大勢のスピーカーが興味深い話を発表しましたが、私は今後のヘルスケア市場では「人工知能(AI)」「ビッグデータ」「患者エクスペリエンス」の3つのキーワードが特に重要になると感じました。レポートの1回目となる今回は「人工知能×ヘルスケア」をテーマにご紹介します。
AIは敵?味方?「人工知能×ヘルスケア」
近年、「AIの発達によって、多くの人間は仕事を失うだろう」というニュースをよく目にします。そして、この予測に対し「仕事を取られてたまるか!」とAIをライバル視する方も多いそうです。しかし、ヘルスケア業界においてAIは、高齢化の進行が著しい日本を支える頼もしい存在になることが分かりました。ここからは、スピーカーとして発表した2社の取り組みについてお話します。
独居老人や認知症患者の不審な動きを検知。
AIの力で安心して暮らせる社会に
一人暮らしのお年寄りは、万が一何かあった場合に発見されにくいため、本人も離れて暮らす家族も不安なはず。しかし、それを解消するAIはすでに実験段階まで発達しています。スタンフォード大学のGuido Pusiol氏が開発したAIは、カメラを使って記録した人間の動きを解析し「食べる」「寝る」など、17の活動を検知することが可能です。その精度はかなり高く、「寝転がる」と「転倒する」の動きの区別もつけられるそう。もし、通常とは異なる動きをとった場合には、モバイルデバイスへと信号が送られ外部に連絡が飛びます。また、行動を長期に渡って記録・解析することでAIは動きの意味を覚え、より精度は高まるといいます。このシステムは、高齢者だけではなく認知症の患者さんの暮らしにも役立つほか、鬱病の発症予測を行うことも期待されているそうです。
AIが家事や介護を担う日も近い!?
コミュニケーションまでとれるバーチャルロボット
本イベントでは、より人間に近い行動を取るロボットについても紹介されました。
こちらは、株式会社ウィンクルの武地実氏が紹介したのはARとIoTの技術を融合したバーチャルホームロボット「Gatebox」。ユーザーの動きや言葉を認知することができるAIです。「Gatebox」の中には、AR技術によって可愛らしいキャラクターが出現。キャラクターは人間が眠りについたことを検知して部屋の明かりを消すほか、声をかけたりスマートフォンを操作することによって自動で掃除機をかけるなど、私たちの毎日の生活をサポートしてくれます。また、一人暮らしの方を癒す存在を作りたいということで開発されたAIであるため、会話をはじめとしたコミュニケーションも楽しむことができます。武地氏は今後について『人間が「テレビを消してくれ」「部屋の温度を下げてくれ」と指示を出すのではなく、AI自身がIoT家電をコントロールするインターフェースが求められる』とおっしゃっていました。
本日のまとめ
少子高齢化による介護の担い手不足が進行する日本社会を助ける、重要なパートナーになることが期待されるAI。フィジカルとメンタルの両方をサポートできるため、想像以上にヘルスケアと親和性が高いことが分かりました。また、本イベントを通してAIは「人間と会話ができ、困ったときに助けてくれる存在」になると知り、私は真っ先にあのネコ型ロボットを思い浮かべました。四次元ポケットを開発するのは難しいかもしれませんが、22世紀を待たずして「ドラえもん」に近い存在は、体が不自由な方や困りごとがある方、心に寂しさを感じる人々の強い味方として私たちの日常生活の一部になっているのかもしれません。
後日、第2回のレポートをアップします。お楽しみに!