日々業務をするなかで、スキルが高い人はどのように仕事を進めているのか、気になることはありませんか?今回は、そんな個人のスキルを見える化して私もまねしてみようと、あるプロジェクトで私が実施した「振り返り」について紹介いたします。

暗黙知と形式知

みなさんは知識に種類があることをご存知でしょうか?

言語化されていない、個人の経験によって得られる知識のことを「暗黙知」といい、職人の技や勘やコツや今回のお話のスキルの高い人の個人スキルなどが、この暗黙知に該当します。また、暗黙知の反対の用語を「形式知」といい、言語・ドキュメント化など目にみえる形で表現された知識のことを意味します。たとえば仕事におけるマニュアルやルールなどです。

「背中を見て学ぶ」という言葉がよく使われていたように、日本ではなかなか個人のスキル(暗黙知)を書面などで組織内にナレッジ化(形式知)されず、一緒に仕事をしていくうちに習得していくという方法がとられてきましたが、現在ではその個人のスキルを組織でナレッジ化していくことが重要とされています。

暗黙知を言語化してみよう

優秀なスキルをもった人がどのように仕事をしているのか気になった私は、今回その人の「暗黙知」を知ることを目的とした、案件の「振り返り」を実施し、その人が案件で行ったことを丁寧に振り返りして、ひもといてみることにしました。

「振り返り」とは、この用語のとおりプロジェクト中に起こったことを振り返ることで、内省/リフレクション/レビュー会などとも呼ばれます。振り返りの手法としてはKPT法が有名ですが、今回はタイムライン法を使いました。

プロジェクトメンバーがスタートからの出来事を振り返り、その人がいつ何をどのように行ったか、使ったツールは何かなど細かく思い出し、それがどのようによかったか、もし改善すべき点があったならそれはなんだったも含めて書きだしていきました。書き出した項目を整理してみて、現在は私も取り入れられるところはどんどんと取り入れています。また、チーム内でも共有することもできました。

「振り返り」を行ってみて

今までプロジェウト自体の振り返りは何度も行ったことがありましたが、個人のスキルを見える化することが目的の振り返りは実は今回はじめて行いました。今回この振り返りを行ってみて、今まで意識せずに自然に行っていた仕事のやり方がきちんと言語で整理されるため、組織でのナレッジ共有に有効だと感じました。みなさんも取り入れてみてはいかがでしょうか?