コロナ禍の影響によりオフラインでのセミナー開催が難しくなった昨今、ウェビナーが急速に注目され始めています。
注目され始めているとはいえ、ウェビナーを実施したことのある企業はまだ多くないかと思います。
「ウェビナーの開催方法は?」
「ウェビナーをするには何が必要?」
など気になっているものの、「どうやって開催したらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ウェビナーの開催方法を知りたい方に向けて
- ウェビナーの開催方法とは
- ウェビナーを成功させるためのポイント
- ウェビナー開催におすすめのツール
などについて詳しく説明します。
この記事を読むことで、ウェビナーを開催するための方法がわかります。
ウェビナーとは?
ウェビナー(Webiner)とはオンライン上で行うセミナーを指します。
「Web」と「セミナー」をかけ合わせた造語で、オンラインセミナー、Webセミナー、インターネットセミナーと呼ばれることもあります。
ウェビナーの浸透に伴い、従来型の対面式セミナーは「オフラインセミナー」と呼び分けられるようにもなってきました。
ウェビナーでは動画ツールを活用して動画を配信し、資料や画面、音声を通じて情報を提供します。
オフラインセミナーと比べて「情報が一方通行になるのでは」と懸念される方も多いかもしれません。
チャット形式にしたりアンケートをはさんだりすれば、双方向のコミュニケーションも可能です。
大きく分けると、以下の3形式に分類されます。
リアルタイム配信 | いわゆる生放送。コミュニケーションがとりやすいがトラブルも起きやすい。 |
録画配信 | 収録した映像を配布する形式。コミュニケーションはとりにくいが安定して配信できる。 |
リアルタイム風録画配信 | 収録した映像を特定の時間に配信。質疑応答をリアルタイムで対応することも可能。
録画配信型よりもコミュニケーションはとりやすいがリアルタイム配信ほどではない。 |
ウェビナーのメリット
ウェビナーのメリットは、大きく分けて以下の5つです。
- 場所を問わない
- 交通費や会場費などコストを大幅に下げられる
- 録画配信型であれば時間も問わない
- 参加者の数を気にせず開催できる
- 時間や場所などの理由でアプローチできなかった層にもアプローチできる
オフラインセミナーと比べて、無駄が少ないのが大きなメリットです。
まずコストを大幅に下げることが可能。
配信したウェビナーの内容は、ホームページのコンテンツなどに再利用できるため、無駄がありません。
ウェビナーのデメリット
メリットの多いウェビナーですが、デメリットも存在します。
ウェビナーのデメリットは、大きく分けて以下の3つ。
- お客様の反応が見えにくい
- モチベーションの維持が難しい
- 配信環境の準備をハードルに感じる層がある
対面のオフラインセミナーに比べ、お客様の反応が見えにくく、コミュニケーションがとりづらいのが大きなデメリットです。
また気軽に参加できる分、キャンセル率も高くなる傾向があります。
途中の離脱リスクもあり、参加者のモチベーション維持ができるよう、構成や内容には工夫を凝らさねばなりません。
配信環境の準備もハードルになりえます。
ウェビナーが浸透すれば低くなるハードルではあります。
ただし導入初期は、丁寧なサポートとトラブルへのリスクヘッジが必要でしょう。
ウェビナーの開催方法8ステップ
ここから、具体的なウェビナーの開催方法を紹介します。
ウェビナーの開催方法は大きく分けて、8つのステップに分けられます。
それぞれ注意点も含めて見ていきましょう。
①自社の状況を分析し目的を設定する
まずウェビナー開催の目的を設定しましょう。
ウェビナーを売上増を目的として開催する場合でも、目的は下記のように細分化できます。
- 見込み客の獲得
- 顧客の育成
- 営業支援
- 既存顧客へのリーチ
目的を設定するためには、自社の状況を分析し、課題を見つけ出すステップが不可欠です。
課題をふまえた上で目的を設定しましょう。
目的を設定するときの注意点は、以下の通りです。
- 数字を用いた具体的な目的を設定する
- 測定可能な目的にし、測定方法や基準も決めておく
- 達成可能な目的にする
- 会社の理念や方向性と一致した一貫性のある目的にする
目的が決まったら内容を決め、構成も含め練り上げましょう。
②ウェビナーツールを選定する
目的と内容がある程度決まったら、ウェビナーで使うツールを選定しましょう。
ツールは様々なものがあり、新しいサービスもどんどん開発されています。
それぞれ特徴も異なるため、下記のポイントをもとに選びましょう。
- 参加者が利用しやすいか
- 社外向けの場合はチャットなどのコミュニケーション機能があるか
- 参加人数の上限や配信可能時間は目的に合致しているか
- 画質や音質は良いか
③配信環境を整備する
ツールを選定したら配信環境を整備します。
映像が途切れたり音質が悪かったりすると、参加者が離脱するおそれがあります。
離脱を防ぐためにも必要な機材などは購入し、環境を整えましょう。
具体的には、以下の点に注意してください。
- インターネットは通信の途切れにくい有線LANを選ぶ
- Webカメラやマイクはスペックの高いものを選ぶ
- 画質や明るさ、音質、音量などをお客様目線で確認し調整しておく
④ウェビナーの告知、集客を行う
次に、ウェビナーの告知と集客を行います。
研修など社内向けのウェビナーであれば、社内メールなどによる告知で足ります。
対して、社外向けに行うウェビナーの場合はきちんと集客せねばなりません。
具体的には、以下のような方法で集客しましょう。
- テーマに関心の高そうなお客様にメールを送る
- 属性にマッチする層に向けて広告を配信する
- SNSで集客する
- セミナー集客のポータルサイトを活用する
⑤リハーサルをする
ウェビナーをリアルタイムで配信する場合は、必ずリハーサルを行いましょう。
いかに講師がセミナー慣れしていても、ウェビナーではオフラインと違う注意点があるためです。
質疑応答のみリアルタイムで行う場合でも、リハーサルはしておいた方が確実です。
実際に使うスライドや台本をそろえ、模擬配信を行ってみましょう。
注意すべきは以下の点です。
- スライドの文字は大きめ、情報量は少な目で見やすいものになっているか
- 時間内に収まるか
- カメラのアングルや音声の具合は問題ないか
- サポートスタッフの役割分担はうまくいっているか
⑥参加者に再度アナウンスする
ウェビナーは参加ハードルが低い代わりに、キャンセル率も高いのが特徴です。
直前の離脱を避けるためにも、ウェビナー開催日がせまったら再度日時をアナウンスしましょう。
ウェビナーでは、主催者から配信されたURLを既定の時間にクリックすることで、参加が可能になります。
メールなどが埋もれてしまってURLが開けない事態を防ぐために、複数回アナウンスするのがベストです。
具体的には、以下のタイミングでアナウンスしましょう。
- 申し込み完了時
- 開催日前日の18~19時ごろ
- 当日の1時間前
またウェビナーに不慣れな参加者のことも考慮し、参加方法も詳しく説明するとより親切です。
⑦ウェビナーの実施
既定の時間になったらいよいよウェビナーの開催です。
録画配信以外の場合は、なるべくサポート専門のスタッフを配置するようにしましょう。
講師がウェビナーに集中できる環境を整えるスタッフがいるとウェビナーが間延びせずに済むためです。
例えば、
- 参加方法への問い合わせ
- 音声トラブルへの対応
- 質問の取りまとめ
などです。
またリアルタイム配信の場合、台本は用意してもかまいません。
ただし、なるべく「生」の言葉で対話を楽しむように語ることを心がけましょう。
オフラインセミナーと比べ離脱率も高いです。
台本を読むだけの単調なウェビナーだと、多くの参加者が離脱してしまうのです。
質問は最後にまとめて回答する方が、間延びしにくくおすすめです。
回答できない内容があっても、無理に答えようとする必要はありません。
「後日回答」という形で、時間通りに切り上げる方がベターです。
答えられない回答があってもフォローしておくと、次のステップにつながりやすくなります。
⑧ウェビナーの振り返りとフォローを行う
ウェビナーを実施したら、必ず振り返りと参加者へのフォローを行ってください。
具体的には、以下の方法です。
- 参加者アンケート
- お礼とフォローアップのメール
- 答えきれなかった質問への回答を作成しフィードバック
◆参加者アンケート
ウェビナー参加者にはアンケートをお願いしましょう。
アンケート内容は厳選して、回答の負担を減らすことが重要です。
- 聞きたいけれどウェビナー中は難しかった質問
- 開催してほしいテーマ
上記内容をアンケートに含めると、潜在ニーズの掘り起こし、そして顧客との関係性強化につながりやすくなります。
◆お礼とフォローアップのメール
ウェビナー開催後は、なるべく早くフォローメールを送りましょう。
ウェビナーツールで自動化しておくと楽です。
アンケートはウェビナーの最後でも、フォローアップメールのタイミングで案内してもよいでしょう。
このときウェビナーと関連したサービスのリンクを入れると、次につながりやすくなります。
◆答えきれなかった質問の回答を作成しフィードバック
ウェビナーの最中に答えきれなかった質問があるのなら、ぜひとも回答を作成しフィードバックしましょう。
ユーザーからの貴重な声を活かさない手はありません。
メールで回答してもいいですが、ブログやSNSを使って公開するのもおすすめです。
ウェビナー開催を成功させるためのポイント2つ
ウェビナーを成功させるにはポイントがあります。
ウェビナーを開催する際には、下記2つのポイントを意識してみましょう。
ポイント①興味を持たせる事前アナウンスをする
ウェビナーはキャンセル率と離脱率が高いのが大きなデメリットです。
直前のキャンセルを防ぐためにも、事前アナウンスはウェビナーの内容に興味を持ってもらえるように工夫しましょう。
興味を引くには、以下のような取り組みが効果的です。
- 事前アナウンスでウェビナー内容の目次を送る
- 講師のプロフィールを伝える
- ウェビナーの内容に関する質問を募集する
- 参加した後の特典をアナウンスする
ポイント②飽きさせない工夫をする
事前のアナウンスも重要ですが、当日の工夫も非常に重要です。
参加者が途中で離脱したり、意識が離れたりしないためにも、参加者が飽きさせない工夫をしましょう。
- 「講演」ではなく「会話」を心がける
- ときおり映像や動画をはさむ
- クイズや事前に募った質問への回答を入れる
- チャット形式で反応を見られるようにする
上記のポイントを意識して、構成とリハーサルを組み立てるようにしましょう。
ウェビナーにおすすめの配信ツール3選
次は、ウェビナーにおすすめの配信ツールを3つ紹介します。
ウェビナーツールは様々なものがありますが、それぞれ機能が異なります。
目的に合わせて選びましょう。
①Zoomウェビナー
ウェビナーツールで最もポピュラーといえるのが「Zoomウェビナー」です。
Zoomウェビナーのメリットは以下の通り。
- パソコン1台で配信できる
- Q&A、フォローアップメール、チャットなど機能が豊富にある
- 参加者の情報を抽出しやすい
使い慣れている人も多く、一通り機能がそろっている点がZoomウェビナーの大きな強みです。
ただ、デメリットも存在します。
- 画質はあまりよくない
- アプリのインストールが必要になる
画質はあまりよくないため、リアルタイム配信した動画をコンテンツとして再利用したい場合は少し厳しいかもしれません。
またブラウザで完結できず、参加者もアプリのインストール必須な点も懸念事項です。
面倒さが参加のハードルになってしまうおそれもあります
ただし、デメリットもあるとはいえ総合的には使い勝手が良いです。
過不足がないツールといえるでしょう。
②YouTubeLive
「YouTubeLive」と聞くと娯楽的なツールだとイメージする方が多いかもしれません。
最近では、ウェビナーやオンラインイベントなどの使い方も増えてきています。
YouTubeLiveのメリットは以下の通り。
- 質の高い配信が可能
- 画質の高さ
- 参加人数が無制限
- 安定した通信
- セキュリティ面も安心
セキュリティや通信面も含め、高品質な配信が可能という点が、YouTubeLiveの大きなメリットです。
世間一般に向けてPRしたい場合や気軽な参加を促したい場合、BtoC企業の販促ウェビナーなどには向いています。
一方、デメリットは以下の通り。
- 参加者情報を抽出することは不可
- 質の高い配信を作るにはコストと経験が必要
- アカウント開設から配信までタイムラグが発生
参加者情報の抽出が不可能な点が大きなデメリットです。
新規顧客への認知程度なら可能ですが、見込み顧客の育成や既存顧客へのフォローなどには向いていません。
またアカウント開設から配信まで、24時間のタイムラグがあることも注意が必要です。
③コクリポ
「コクリポ」は、安さが魅力のウェビナーツールです。
他のツールと比べると安さが際立ちますが、それ以外にもメリットは多くあります。
コクリポのメリットは以下の通り。
- 値段が驚異的に安い
- 低価格でも動画品質が安定している
- 双方向のコミュニケーションがとりやすい
- インストール不要で使える
何といっても安さが最大の特徴です。
時間当たり数百円という安さで活用できるのは、コクリポを置いてほかにありません。
低価格ながらも動画品質は安定しているので、安心して使えます。
一方、デメリットは以下の通りです。
- 匿名でのコミュニケーションである
- 大規模なウェビナーは開催しにくい
チャットが匿名のため、発言しやすいのですが、主催者側がメンバーを特定しにくい状況になってしまいます。
参加者の情報は抽出できますが、ウェビナーの最中からある程度参加者の動向をつかもうとするときにはやや不向きでしょう。
また最もハイグレードなプランでも300人までという制限があります。
大規模なウェビナーには不向きなため、少人数や自社セミナーに活用して見てください。
ウェビナー開催はきちんと準備をしてから臨もう
ウェビナーの開催方法について解説しました。
ウェビナーの開催方法は、以下の8ステップです。
- 目的を設定し内容を具体化する
- ウェビナーツールを選定する
- 配信環境を整備する
- ウェビナーの告知、集客を行う
- リハーサルを行う
- 参加者に再度アナウンスを行う
- ウェビナーの実施
- ウェビナーの振り返りを行う
オフラインセミナーと比べて手軽にできると思うかもしれませんが、ウェビナーならではの難しさもあります。
ウェビナーを開催したいときには、きちんと準備してから臨むようにしましょう。
ウェビナーの開催方法やコツについての資料は、以下からお気軽にお問い合わせください。