新型コロナウイルスの影響で、商品を展示して実際に見たり触れたりしてもらう機会が作りづらくなりました。
集客活動や取引のクロージング活動に支障をきたしている企業は多いでしょう。
そうした中で、「バーチャルショールーム」を制作する企業が増えています。
バーチャルショールームとは、店舗や展示ブースをWeb上に再現した展示空間のこと。
人との接触を避けながら自社商品をアピールできるため、コロナ禍でも商談チャンスを逃す心配がありません。
バーチャルショールームを制作することで、商談数の確保や受注率の低下防止が期待できます。
そこで今回は、バーチャルショールームを制作する流れや方法を解説します。
バーチャルショールームを取り入れて、新たなお客様との接点を獲得していきましょう。
バーチャルショールームを制作している主な業種
バーチャルショールームを制作している主な業種は、
- 車業界
- 住宅メーカーや不動産
- インテリア業界
- 機械メーカー
などがあります。
1.車業界
1つ目の業種は、車業界です。
新車・中古車販売店のネクステージ株式会社が展開する、輸入車専門店「UNIVERSE」は、VR技術を取り入れた在庫確認サービスを導入しています。
在庫車両を撮影した映像をVR空間に投影。
顧客は専用ゴーグルをつけることで、車両の色合いや形状・内装などを確認できます。
他店舗にある在庫車両も、イメージを膨らませながら選ぶことができ、購入を決める判断材料になります。
参照元:ネクステージ「仮想空間でクルマが選べる!『UNIVERSE Virtual Showroom』サービス開始!」
中古車メディア情報のカーセンサーは、VR技術を活用し、車の内外装を360°で体感できる機能を導入。
スマートフォン装着型のVRゴーグルに対応しており、実際にショールームで車に乗っているような疑似体験を提供できます。
2.住宅メーカー・不動産
2つ目の業種は、住宅メーカーや不動産です。
住宅メーカーの積水ハウスは、家を建てる前に設計相談ができる「360°VR設計」を実施しています。
図面で確認するだけだった設計プランにVR技術を活用し、”未来の我が家”を再現。
顧客が設計したプランを360°VR設計することで、完成前にイメージが膨らみ、購買意欲を高められるでしょう。
新築やリフォームを手掛ける、無垢スタイル建築設計株式会社は、モデルハウスをウォークスルーで見れるバーチャル展示会を実施。
顧客は、実際に歩いているかのように室内を移動して見学できるため、よりリアルにイメージできます。
バーチャル展示会での体験をきっかけに、リアル展示場にも参加しやすくなるでしょう。
3.インテリア業界
3つ目の業種は、インテリア業界です。
家具販売会社の大塚家具は、各店舗のショールーム内を360°のパノラマ映像で見られる、バーチャルショールームを実施。
実際に店舗を歩いているような擬似体験を提供できます。
商品の詳細を確認後、オンラインショップから購入することも可能で、売上アップにもつながります。
内藤家具インテリア工業株式会社が展開する高級収納家具ブランド「ARUNAi」が、バーチャルショールームをスタート。
友人宅に見立てた山梨本社の180平米超のショールームをバーチャル体験してもらうことが可能です。
ARUNAiの商品の魅力を通して、非日常空間を提供できます。
4.機械メーカー
4つ目の業種は、機械メーカーです。
工作機械製造会社のDMG森精機は、三重県伊賀市にある”伊賀グローバルソリューションセンタ”を、バーチャル空間でリアルに再現しました。
特徴は、4K画質のフルCG制作をしているところ。
CGで制作すると、展示物を移動・変更する手間がかかりません。
またこれまで外側しかイメージできなかった、製品の構造まで確認することが可能。
圧倒的な画像品質のショールームを、パノラマビューで体感できます。
自社製品の魅力を、しっかりと実感してもらうことが可能でしょう。
その他にも、
- 展示機器・デモ加工の見学
- テスト加工
などを利用でき、機械の導入に踏み切るきっかけになるでしょう。
参照元:DMG MORI「デジタルツインショールーム完成!伊賀グローバルソリューションセンタをフルCG(4K画質)化!」
バーチャルショールームを制作する方法
バーチャルショールームを制作する方法を解説します。
主に、以下の2つの方法があります。
- 自社でサイトを構築する
- 制作会社に依頼する
方法1.自社でWebサイトを構築する
1つ目は、自社でWebサイトを構築する方法です。
この方法は、一般的なWebサイト寄りの、2Dバーチャルショールームを制作する際によく使用されます。
企画・撮影・編集・公開まで、すべて自分たちで担当するため、費用を抑えて制作することが可能です。
しかし、
- 制作に時間がかかる
- コンテンツの質に納得できない
- ソフトの使い方などに精通している人が必要
などのデメリットもあげられます。
方法2.制作会社に依頼する
2つ目は、制作会社に依頼する方法です。
外注するため、費用はかかりますが、質の高いバーチャルショールーム制作ができるでしょう。
方法2-1.多くの制作会社がある
バーチャルショールームの制作会社は数多くあります。
制作会社が実施する制作には以下のものがあります。
- 実際の店舗やショールームを撮影した没入感の高いブラウザ型
- 360度のパノラマ写真を使ったGoogleストリートビュー
- 空間の広さやコンテンツ数を設定できる自由度の高いフルCG型
制作会社によって、得意な分野や実績がある業種などは異なります。
あらかじめ気になる制作会社のHPで、対応可能なコンテンツや制作実績を見てみましょう。
多くの制作会社から、自社のイメージに合った作品を提供してくれる会社を探すことが大切です。
方法2-2.企画から細かいカスタマイズまで任せられる
制作会社によっては、企画から細かいカスタマイズまで任せられるところもあります。
どんなコンテンツを制作したいかなどの要望や、自社に合ったコンテンツ作成の提案もしてくれます。
ノウハウを持った制作会社に依頼することで、高品質なコンテンツを作成できるでしょう。
バーチャルショールームを制作する流れ
バーチャルショールームを制作する流れは以下のとおりです。
- ターゲットの設定
- 見せ方の検討
- 実制作
1つずつ解説します。
1.バーチャルショールームに来場して欲しいターゲットの設定
バーチャル化したときに来場するであろう、ターゲットを考えましょう。
リアルのショールームと同様のターゲットなのか、異なるターゲットなのか、最初に考慮しなければいけません。
リアルと同様であっても、その方のデジタルリテラシーの高低などによって、適切な商品の見せ方は異なります。
「どのように商品を見せるのが望ましいのか」、ターゲットによってしっかり設定することが必要です。
またターゲット設定は、新たな来場者の獲得にも効果的。
バーチャルショールームを作成したことで、従来のリアルショールームには足を運びにくかった層が来場しやすくなることもあるためです。
商品の見せ方、そして新規来場者の獲得につながるため、まずは事前のターゲット設定が重要です。
2.ターゲットのニーズを満たす見せ方の検討
続いては、商品の見せ方を検討しましょう。
見せ方で検討したいポイントは、以下の2つ。
- ターゲットの来場者はどのような商品に興味があるのか
- どのように見せたら購買意欲が高まるのか
方向によって、既存の空間をデジタルに置き換えるだけでも良いのか、CGなどで詳細に説明する必要があるのかなど、制作手法も変わるためです。
商品の頻繁な置き換えが必要になる場合は、撮影よりCG空間を制作したほうが安価な場合も少なくありません。
運用イメージも見せ方を考えるときにしっかりと検討します。
3.実制作
先ほど考えたターゲットと見せ方にあった手法で制作します。
自社リソースで制作が可能なものであれば望ましいですが、CGなど自社での制作が難しい場合もあります。
その場合は制作会社に依頼しましょう。
コストは発生しますが、クオリティの高いものが完成します。
バーチャルショールームを制作するメリット
バーチャルショールームを制作するメリットは、以下の5つです。
- 臨場感を味わってもらえる
- 全国・全世界からの集客が見込める
- 購買意欲が高まる
- 固定費を削減できる
- 今後ニーズが高まる可能性がある
メリット1.臨場感を味わってもらえる
1つ目のメリットは、臨場感を味わってもらえることです。
バーチャルショールームを体感してもらうことにより、店舗に実際に訪れているような体験をしてもらうことが可能です。
臨場感を味わいながら、ショッピングを楽しんでもらえるでしょう。
メリット2.全国・全世界からの集客が見込める
2つ目のメリットは、全国・全世界からの集客が見込めることです。
顧客は、お店に足を運ぶ必要がないため、遠方からでも閲覧できます。
日本だけでなく、世界からの集客も期待できるでしょう。
メリット3.購買意欲が高まる
3つ目のメリットは、購買意欲が高まることです。
バーチャルショールームは、商品やサービスの詳細を動画や画像などで、じっくり見ることができます。
実際の店舗のような混雑がなく、自分のペースで選んでもらえるため、購買意欲は高まるでしょう。
メリット4.固定費を削減できる
4つ目のメリットは、固定費を削減できることです。
店舗を運営するには、家賃や人件費、電気代など多くの費用がかかります。
バーチャルショールームは1度撮影してしまえば、費用はほとんどかかりません。
Web上に構築するため、家賃や地代は不要。
実店舗のように、常にスタッフを配置する必要もありません。
多くの固定費を削減でき、そのぶん利益も高まります。
メリット5.今後ニーズが高まる可能性がある
5つ目のメリットは、これからニーズが高まる可能性があることです。
コロナウイルスの影響で、今後も人との接触を避ける必要があるでしょう。
店舗に足を運びづらい状況が続く中、バーチャルショールームのニーズは今後も高まると考えられます。
そのような状況で、Web上に店舗・展示空間を持つことは、企業にとって強みになるはずです。
まとめ:バーチャルショールームを制作して集客しよう
バーチャルショールームの制作について紹介しました。
バーチャルショールームはインターネット上で展開する空間のため、新型コロナによる外出制限などの影響を受けにくいです。
バーチャルショールームを制作することで、コロナ禍でも従来のように商談チャンスを獲得し、受注率低下を防ぐことができるでしょう。
バーチャルショールームの他には、バーチャル展示会を通して自社製品をアピールすることも可能です。
バーチャル展示会について、詳しくは下記よりお問い合わせください。