コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントなどの開催は難しい状況が続いています。
その影響で、自社の製品やサービスをアピールする場が失われてしまった企業も多いかもしれません。
このような状況の中、自社サイトで「バーチャルショールーム」を実施する企業が増えています。
バーチャルショールームは、Web上で展開される展示場のこと。
近年増加した展示場スタイルのため、なじみのない方も多いかもしれません。
そこで今回は、バーチャルショールームの概要を解説します。
あわせて、バーチャルショールームを実施するメリットや企業の事例も紹介します。
バーチャルショールームを利用すれば、自社製品をアピールできる場所が増え、新たな顧客を獲得できる可能性があります。
バーチャルショールームとは
バーチャルショールームとは、Web上で展開される展示空間のことです。
従来のショールームは、店舗で商品を展示し、お客さまに来店してもらう形でした。
店舗ではなく、オンライン上に展示会を立ち上げたものが、バーチャルショールームです。
バーチャルショールームの特徴は、
- 人との接触を避けられる
- 時間をかけて商品を見ることができる
- いつでもどこからでも閲覧できる
などが挙げられます。
そのため、住宅メーカーや家具業界、車業界を中心に取り入れる企業が増え始めています。
バーチャルショールームのメリット
バーチャルショールームには、従来のショールームとは異なるメリットがあります。
例えば、
- VR技術で商品をリアルに閲覧し、購買もできる
- 自社製品を撮影するだけで準備が完了する
- いつでも閲覧できるため来場者が増えやすい
などが挙げられます。
下記で1つずつ解説します。
メリット1.VR技術で商品をリアルに見れるため購買につながる
1つ目のメリットは、VR技術で商品をリアルに見ることができるため、購買につながりやすいことです。
VRとはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略で、日本語では仮想現実と訳されます。
バーチャルショールームは、Web上の展示空間のため、実際にその場で商品を見るわけではありません。
VR技術を用いて、スマートフォンやパソコンから、Web上に再現されたショールーム内を閲覧します。
VRを活用することで、実際に店内を訪れているかのような、リアルな体験ができるのです。
お店にいるときと同じ感覚で商品を見られるため、購買につながることも期待できます。
メリット2.自社製品を撮影するだけで準備が完了する
2つ目のメリットは、自社製品を撮影するだけで、バーチャルショールームの準備が完了することです。
従来の展示会であれば、実際に商品を展示したりカタログを用意したりする必要があり、準備に手間や時間をかけていました。
また、展示会を実施する場所には、数名〜数十名のスタッフを配置する必要もあります。
一方で、バーチャルショールームに必要なのは、店内や商品の撮影のみ。
バーチャルショールームのコンテンツとして、製品の紹介動画や説明テキスト、商品カタログなどは必要ですが、もともと用意していることも多いかと思います。
すでに手元にある商品を、バーチャルショールームに取り入れるだけで済むため、手間はかかりません。
店内や商品の撮影だけで準備が完了し、大掛かりな作業に時間を取られることがなくなります。
バーチャルショールームが完成した後は、スタッフが常駐する必要もないため、手軽に開催できます。
メリット3.いつでも閲覧できるため来場者が増えやすい
3つ目のメリットは、いつでも会場や商品を閲覧できるため集客数が増えることです。
バーチャルショールームは、お店のように特定の営業時間がありません。
Web上で展開されるため、いつでもどこからでも、アクセスすることが可能です。
普段は会場に足を運びにくい人や、少し興味がある程度の見込み客にも閲覧してもらえる可能性があります。
来場者数が増えることで、売り上げアップも期待できます。
バーチャルショールームのデメリット
バーチャルショールームのメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。
バーチャルショールームのデメリットは、以下のとおりです。
- 実際に商品を触れない
- サイト構築に時間とスキルが必要になる
- プッシュ型の営業が難しい
デメリット1.実際に商品をさわれない
1つ目のデメリットは、実際に商品をさわれないことです。
バーチャルショールームは、スマートフォンやパソコンの画面を通して、Web上に展示されている商品を閲覧します。
商品を手にとって見られないため、質感やサイズなどイメージしづらいことがあります。
「実物を見ないと安心して購入できない」というお客さまは、購入に踏み切れないかもしれません。
商品の大きさや質感がわかる画像を多めに用意するなど、企業の工夫が必要です。
デメリット2.サイト構築に時間とスキルが必要になる
2つ目のデメリットは、サイト構築に時間とスキルが必要になることです。
バーチャルショールームを展開するには、システムの整備やコンテンツの制作が必要になります。
制作のノウハウやスキルがないと時間がかかり、スムーズにバーチャルショールームを実施することは難しいでしょう。
つまり、初めてバーチャルショールームを開催するには、時間とスキルが必要になります。
そのぶん各企業が、それぞれ工夫していることも多いです。
このあとさまざまなバーチャルショールームの事例を紹介するので、参考してみてください。
デメリット3.プッシュ型の営業が難しい
3つ目のデメリットは、プッシュ型の営業が難しいことです。
バーチャルショールームはWeb上で展開されるため、通りかかった人に声をかけたりチラシを配ったりすることはできません。
展示空間となるサイトにアクセスしてもらうため、興味を持ってもらわなければ、商品をアピールする機会はないまま。
バーチャルショールームでは、直接的なアプローチができないため、プッシュ型の営業は難しいといえるでしょう。
しかしその分、コンテンツを増やしたり見やすいフロアを作ったりすることで、お客さまの購買意欲は高まるはずです。
バーチャルショールームを開催した企業の事例
実際に、バーチャルショールームを開催した企業の事例を紹介します。
- 大塚家具
- Panasonic
- DAIKIN
- イトーキ
- REAL Style
- タカラスタンダード
各社それぞれに工夫や特徴があるので、参考にしてみてください。
事例1.大塚家具
1つ目の事例は、家具販売会社の大塚家具です。
実際に店内を歩いているかのように、商品を見て回ることができます。
閲覧は店舗ごとに加えて、以下のジャンルでも閲覧可能です。
- ベッド
- ソファ
- ホームシアター
- キッチン収納
- 生活家電
- 絨毯・カーテン
店舗ごとで見る場合、近隣店舗のバーチャルショールームで、品定めをしておくことができます。
そして、品定めした商品を、実際の店舗に見に行って購入することも可能です。
気になった商品をクリックすると、公式サイトのオンラインショップに移動するため、そのままオンラインで購入することもできます。
事例2.Panasonic
2つ目の事例は、家電メーカーのPanasonicです。
360°のパノラマビューでフロア内を見て回れます。
フロアの全体図から見たい場所を選択できるため、自分の目的に合った商品をすぐに探せます。
気になる商品をクリックすると、製品の紹介動画が表示されます。
同サイト内にある「アイハウズプラン」というサービスを使って、見積もりや図面の確認も可能です。
事例3.DAIKIN
3つ目の事例は、空調機メーカーのDAIKINです。
トップ画面左上に、キッチンや玄関などのフロアが表示されており、見たいフロアにすぐにアクセスできます。
フロア内には、DAIKINのキャラクター「ぴちょんくん」が点在。
フロアごとの空気に関する注意点とあわせて、おすすめ商品を紹介してくれます。
気になる商品にカーソルを合わせると、商品説明と動画が表示されます。
同サイト内にあるオンライン相談窓口で、スマートフォンやパソコンの画面を通して、製品に関する相談も受け付けています。
事例4.イトーキ
4つ目の事例は、事務用品などを取り扱う、イトーキです。
東京にあるショールームを、Web上にバーチャルショールームとして公開しました。
所狭しと並べられた商品をクリックすると、商品カタログが表示されます。
商品カタログには、付せんを挟んだりペンツールでメモ書きしたりすることもできるため、後から見返す際に便利です。
事例5.REAL Style
5つ目の事例は、インテリア小売店舗のREAL Styleです。
名古屋にある本店をバーチャルショールームで公開しました。
3階建てのフロアに並べられたたくさんの家具を、時間をかけて見ることができます。
気になった商品にカーソルを合わせると、商品説明とオンラインショップのリンクが表示されます。
リンク先のオンラインショップから商品の購入が可能です。
事例6.タカラスタンダード
6つ目の事例は、住宅設備機器メーカーのタカラスタンダードです。
館内マップを開くと、フロア内におすすめルートの表示があるなど、進み方がわかりやすいように工夫されています。
フロア内の矢印をクリックすると、画面が動き、店内を見て回ることが可能。
館内マップから気になるフロアを選択できるため、自分の見たい商品を探しやすいのが特徴です。
商品をクリックすると、商品画像が開き、商品動画が再生されます。
さらに詳しく見たい場合は、公式サイトの商品ページから確認してみてください。
事例7.シーリー
最後は、米国シェアNo.1の高級ベッドメーカー、sealy(シーリー)です。
東京にあるショールームをバーチャルショールームで公開。
店内を進むと、ベッドやソファなどが並んでいます。
気になる商品にカーソルを当てると、カタログや動画が表示されます。
公式サイトへのリンクが貼られているため、商品の詳細を見ることも可能です。
バーチャルショールームの開催方法
ここまでを読んでバーチャルショールームをどのように開催するのか、気になる人も多いかと思います。
バーチャルショールームの開催方法は、自社サイトで実施する場合がほとんどです。
上記で紹介した企業はすべて、自社サイトでバーチャルショールームを開催しています。
ただし、自社サイトでバーチャルショールームを実施するためには、バーチャルショールーム専用のサイトを作らなければなりません。
バーチャルショールームは実際の展示場をWeb上に展開するため、360°カメラや定点カメラなどの機材を使い、店内や商品を撮影する必要があります。
商品カタログや説明動画などのコンテンツも、開催のタイミングで作ることになるでしょう。
今まで店舗やサイトで使っていたものがあれば、そのまま使用することも可能です。
カメラなどの機材はレンタルできるものもあるため、費用を抑えて開催することは可能です。
まとめ:バーチャルショールームで新規顧客を獲得しよう
コロナウイルスの影響で、バーチャルショールームを開催する企業が増えています。
バーチャルショールームとは、Web上で展開される展示空間のこと。
実際の店舗をオンライン上に立ち上げ、自社商品を展示します。
お客さまはインターネット上でも店内を歩いているかのように、商品を見て回ることができます。
バーチャルショールームの特徴は、人との接触を避けられること。
さらに、いつでもどこからでも閲覧でき、時間をかけて商品を選ぶことができます。
バーチャルショールームのメリットは、以下の通り。
- VR技術で商品をリアルに閲覧でき購買につながる
- 自社製品を撮影するだけで準備が完了する
- いつでも閲覧可能なため集客しやすい
新しい生活様式になりつつある今、新たな販路になる可能性があります。
実際に多くの企業が、自社サイトでバーチャルショールームを展開しています。
紹介した企業の事例を参考に、バーチャルショールームの開催を検討してみてはいかがでしょうか。
バーチャルショールームなど、開催方法については下記からお気軽にお問い合わせください。