SPEAKERS
Jasmine Jaco; Director; CUR8
Vladimir Vukicevic; Co-Founder & CEO; Meural
Brisa Freitas
『スマートホーム市場の展望』
こんにちは。DCDWebチームで現在ニューヨーク在住の谷口です。2018/3/10から参加した、SXSW2018レポートをお届けします。スマートホーム市場は2023年までに1000億ドルを超えると予測されています。(SXSW公式サイトより)
これまでの市場はセキュリティガジェットやパーソナルアシスタントなどの実用的な分野が中心でしたが、このセッションでは、機能面だけにとどまらず、空間の美しさを高めるためにデザインされた製品、インテリアなど、これからのスマートホーム市場の可能性について、3名のスピーカーがセッションしました。
■Jasmine Jaco氏
Jaco氏は、インタラクティブな家具、インテリア製品などを取り扱うCUR8社のディレクターです。今日様々なインタラクティブな製品、スマート製品が開発され、普及しつつありますが、今後はより身近な製品がさらに開発され、それらすべてがつながっていくだろうとJaco氏は言います。
■Vladimir Vukicevic氏
Meural社の創設者でありCEOのVukicevic氏は、彼らの開発したデジタルデバイス(デジタル絵画)でアートをより人々の身近にし、またアーティストをサポートする活動を行っています。
このデジタル絵画はリビングなど生活の身近にアートを取り入れることができ、またインターネットやスマートフォンなどと連携することで様々なアートを楽しむことができます。また自宅にいながら美術館やギャラリー、アーティストとつながることができ、新しいアート作品を探したり購入したりするなどが可能だと言います。
■Brisa Freitas氏
Freitas氏はb8ta社のマーケティング・マネージャーとして主にデータ分析を活用したマーケティングを行っている人物です。b8ta社では最新テクノロジー製品を数多く取り扱い、ショールームのような店内でそれらの製品を展示販売しています。製品を実際に体験して購入できるという、スマート製品などに合った新しいスタイルでビジネス展開しているのだと言います。
■これからのスマート製品
Jaco氏は、近い将来スマート製品はより私たちの身近になり、リビングやキッチン、テーブルや壁などあらゆるところに取り付けられるまたは内蔵されるようになり、しかもより小さくかつ魅力的なデザインの製品が私たちの生活をより快適にしていく、と語りました。
また将来的には家だけでなく、公共施設などともつながることになるだろうと言います。今後はスマートフォンなどのデバイスを使用してコントロールするものだけではなく、タッチやジェスチャー、声といったものでより感覚的で簡単に操作ができるようになっていくだろうと言います。
Freitas氏は、特にタッチ操作のような動きはこれからのスマート製品にとって大きな存在になるだろうと加えました。
■ライフスタイルに適合できる
またJaco氏は人々のライフスタイルとスマート製品についても触れました。スマート製品は設定などでより自分にフィットさせることができます。一人暮らしから結婚し子供が生まれるなど人々のライフスタイルは変わっていきますが、ライフスタイルが変わるのに合わせて設定を変えてゆけるスマート家具などは、今後も面白い分野だと言います。
■スマート製品とソーシャルネットワーク
人々はメールの代わりにボイスメモを送るのが当たり前になってきていますが、例えば今後はデジタルアルバムやデジタルフォトにボイスメッセージやコメントを加えて贈るといったことも増えてくるのではないでしょうか。人は人とつながり合うことを好むし、家族や友人同士などのネットワークの中でメッセージや物を送り合うことを基本的に好みます。そのような傾向から考えても、スマート製品にとってソーシャルネットワークはとても重要な位置づけだと、Freitas氏は言います。
■スマート製品とヘルスケア
ヘルスケア分野でも、フィットネスやセラピー、医療などの様々な分野でスマート製品は活用されるだろうと言います。フィットネスで使われているような製品、グッズは全てネットワークにつなげられるようになるだろうし、
例えば、メンタルヘルスをサポートするようなスマート製品や、ロボットが介助をサポートするようなシステムなども考えられると言います。また医療分野では、スマート製品を通じて患者さんのヘルスケアをサポートするシステムは既に進化しつつあります。
最後に、スマートホーム、スマート製品の今後について、ベースにある考え方は、「あらゆるものが、何でもどこでも誰とでもつながれる、手に入れられる」であり、それが実現する日はもうすぐそこまで来ている、と締めくくりました。