DCDの上平です。企業の採用ご担当者の方が、学生の立場から就活上の課題や解決策を考える、就活ジャーニーマップセミナー・ワークショップを弊社ワークショップルームCHIKAで開催しました。今回は当日の様子とジャーニーマップを採用活動に用いる際のポイントをご紹介します。
このセミナーは、企業の採用ご担当の方々と、就活を直近に終了された4年生の方々、これから就活を考える3年生の方、大学院生の方が一緒になって、半日を掛けて、
具体的に就活生は、
- どんな時に
- どんな事を考えていて
- どんな気分になって
- その時、企業側どんな事をしてくれたら嬉しいか
という一連の経験を、ジャーニーマップというマップにまとめながら、アイディアを出していくという内容です。
当社グループ会社の株式会社mctは、カスタマージャーニーマップという手法を、製品開発やブランディングなどの目的で、延べ100社以上のプロジェクトで実践しており、彼らに、セミナーとワークショップのファシリテイトをお願いしました。
ステージ(準備期間→エントリー開始→面接→内定、など)ごとに、就活生にとって、どんな「タッチポイント」があって、その各々の時に「どんな行動」をして、「どんな気持ち」になったか?を、あくまで「就活生になりきって」考える。そこから、「課題」と就活生にとって最適な「解決策」を考えていきます。
具体的に、多くの課題とそれを解決するアイディアが、各チームから出てきました。
- インターンシップで失敗があると大きなマイナスにならないか?不安でぎこちなくなる。
- どういう仕事が向いているのか?はじめは分からない。
- エントリーシートで迷走。自己分析のフィット感が?。何度も同じものを書くのも大変。
- 会社の雰囲気が分かりづらい。普段のオフィスも見学できないか?
- 内定者に一番話を聞きたい。何とかもっとアクセスできないか?
- 仲間からの悩み相談に振り回される。
- 面接合間のカフェは、就活生同士で情報交換できるのは有効だが、お金がバカにならない。
- OB/OG訪問は大変そう。
- 選考スケジュールの不透明感やめて。あと何回面接すれば終わるんだろう。
などなど。
セッションを通じて感じたのは、「就活生の立場」で考えると、(私も含め)企業側が思っている以上に、「本音を言ってもらえないのでは?」「マイナス評価されないか?」という、信頼感のギャップが根底にあるという事です。売り手市場で、不況期よりも学生側に相当歩み寄ろうという意識が高い企業が多いだけに、この結果に少し驚きました。
各チームで出して頂いた、就活生目線での解決アイディアにも、そこのギャップ解消が反映していたように思えます。
例えば、
- 自己分析会や人事の方を交えない座談会を匿名性で実施
- OB/OGが検索できて本音が聞きにいける仕組み。
- 仕事に一日密着できて、現場の人に自由に話が聞ける。
- 受かっても落ちても、面接後の選考内容が知りたい。
他、多くのアイディアを出して頂きました。
全体を通じて参加企業の方からは、
- 想定していた以上に気づきが多くあった。
- 就活生の立場で考える事で改めて課題が整理できた。
- ジャーニーマップの手法を他のテーマにも取り入れてみたい。
- 全体を通じて楽しかった。
など、皆さんから高くご評価頂きました。反面、「もっとじっくり考える時間がほしかった」とのご意見も頂きましたので、次回実施時には時間配分も検討したいと思います。
最後に、今回は、体験ワークショップでしたが、本格的に採用活動にこの手法を使う場合のポイントを3点挙げます。
- 「求める人材像」を現社員の入社前後の変遷を追う事で作る。
- 「伝えたい当社価値」を整理する。
- 内定後キャンセルの原因を調査する。(採用活動中の原因)
以上です。