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【SXSW2018】Learning UX from Board Games.

SPEAKERS: 

Stephen Anderson;Head of Design, Innovation Garage Capital One

こんにちは。DCD Webチームでニューヨーク在住の谷口です。2018/3/10から参加したSXSW2018レポートをお届けします。このセッションでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を設計する際の考え方を、ボードゲームデザインや、ゲームをする際のルールや体験を例に、そこから活かせるUXデザインのヒントを解説していました。

■UXデザインとは

製品やサービスなどを通じて利用者が得る体験、それをより良い体験となるようデザインする。ビジネスの現場ではよく耳にすることも多いUXデザインですが、Anderson氏はまず、UXは以下の6つの要素で構成されると解説しました。

個人的に意義のあるものである(meaningful)、記憶に残る楽しいものである(pleasurable)、使いやすい、便利(convenient)、難なく使うことができる(usable)、正確であり、信頼できる(reliable)、機能的である(functional)。前者の3つは「体験」にフォーカスした要素であり、後者の3つは「製品・サービス」にフォーカスした要素であると言います。

Learning UX from Board Games1

■全体を見るということ

Anderson氏は、UXで大切なのは部分を見るのではなく全体を見ることだと語りました。ティガ―のイラストを例に挙げ説明しました。

Learning UX from Board Games2-1

2つのイラストを構成するパーツは似ていますが、一方はティガ―で、もう一方は違って見えます。同じパーツ(製品、サービス)を使っても、最終的に出来上がる2つのイラスト(全体)は全く異なるのだと言います。「体験」もまた全体を通してデザインされるべきであり、デザイン次第でその体験は全く異なるものになるとAnderson氏は言います。

■ゲームデザインとUX

Anderson氏はゲームデザインのプロセスについても紹介しました。ゲームを設計する際には「テストプレイ」が欠かせません。完成前の早い段階から何度もテストプレイを繰り返し、バグをとり除いていきます。

できるだけ早い段階からトライアンドエラーを行う中で、様々なことを学ぶことができる、と言います。UXデザインにおいても「ユーザーテスト」は重要だとし、製品、サービスのデザインや開発において、どの程度ユーザーを意識し、また早い段階からテストを実施できているか? と問いました。

Learning UX from Board Games3

■ボードゲームの空間の使い方

ボードゲームではプレイ中、テーブルの上にすべてのルール、情報が展開され、またお互い自然と「自分の陣地」「相手の陣地」など理解しゲームが進んでいきます。情報全体を見渡すことができるということ、また情報を空間的に配置、整理し、それらを無意識的に理解できるということが、UXデザインにも活かせると言います。

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Webサイトでカメラを購入するプロセスを例に挙げ、説明しました。通常、縦横整然と製品が並んでいることが多いですが、製品を購入する際には色々な視点で見たり、比較したりしたいもの、その点で彼はこの製品の提示の仕方ではストレスを感じると言います。

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例えばこんな比較や、

Learning UX from Board Games8Learning UX from Board Games9

こんな比較の仕方があってもいいのにと、情報を空間的に配置する例を挙げました。

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■Friction(摩擦/衝突)を取り入れる

Anderson氏は最後に、ゲームデザインとUXデザインにおける「Friction」について話しました。ゲームデザインでは、ユーザーに「課題」や「問題」を与えることで設計していく、という考え方を持っています。一方UXデザインはこれまで、使いやすさの向上や効率性を求める際に、ユーザーからそれらの「問題」を解決し、無くしていく作業を行っていた、とAnderson氏は言います。

課題や問題は通常あまりよくないものですが、ゲームデザインではそれらをうまく取り入れることで、よい経験を演出するのだと言います。ゲームの中で人々は「課題」が難しいことを楽しんでいるし、解けた時に、達成感を覚えます。

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UXデザインにおいても、時に「課題」や「試練」のようなものを取り入れることで、使いやすさの向上や効率化だけではない効果を演出することができるのではないかと、Anderson氏は提案していました。

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