こんばんは。DCDの上平です。
当社のVR (Virtual Reality)担当のメンバー2人と、SVVR(シリコンバレーVR)というコンファレンスに来ています。VRやAR、MR(Mixed Reality)の全容と最新技術、最新事例が分かる多くのセミナーと製品展示で溢れています。
基調講演では、4人の方が各々の切り口でVR・ARの全容と可能性を紹介してくれ、改めて整理できました。まず、ゲームエンジンのUnity社のVR/ARリーダーであるトニー・パリジ氏は、VRの適用範囲を4つのEで説明しています。
Empathy(共感)
Escape(逃避)
Embodiment(化身)
Engagement(関係の深まり)
確かに、VRやARのゲームやビジネス・シミュレーション、SNSでの使い方など、全てこのカテゴリーのどれかに当てはまります。これからの可能性を考える上で、このカテゴリーはとても参考になります。
2人目のプレゼンターは、HTC社(ヘッドセットのVIVEで有名)のVR担当副社長のリカード・スタイバー氏。ここでは、彼らの最新技術である、ユニバーサル・トラッカー(VR実現に必須なデバイスを認識する装置、小型でどんなデバイスも簡単に認識可能にしたもの)や、ヘッドセットのワイアレス化を紹介。また、今後世界中で1000箇所以上のVIVEアーケードがオープンになる構想や、月7ドルで本格的な5つのVRコンテンツが利用できるサービスなども紹介していました。
また、VRが社会貢献に役立つ(難しい問題を分かり易く、深く理解するのにVRは最適)という観点から、社会貢献活動をしているのも興味深かったです。環境保全、教育、相互理解など、社会貢献に繋がるコンテンツ開発に10億ドル投資するそうです。
3人目のプレゼンテーターは、ジャーナリストのケント・バイ氏。これまで700人以上のVR関係者のインタビューをされたという、VRジャーナリストの第一人者。人類が、紀元前に情報に触れてから、今に至るまでの流れを使って、VRが与えるインパクトを紹介していました。つまり、グーテンベルクの印刷機が出て以来今まで、左脳中心の客観的な考え方が情報との付き合い方の主流だったのが、VRが身近になって、右脳中心の主観的な考え方が勃興する可能性が出てきたことを紹介されていました。他にもVRの分類や可能性も詳しく紹介していました。これは、またの機会にご紹介します。
最後に、多くの賞を受賞しているVRプロダクション エンブレマティック社代表のノニ・デラピナ女史が登壇し、初めに、2014年にこのSVVRにプレゼンターとして呼ばれた時は、女性がたった3人だったが、今回は2割のプレゼンターが女性になったと紹介していました。元々、ニューズウィーク誌でジャーナリストと映像制作者としてのバックグラウンドを持っておられ、紛争・貧困・糖尿病など、社会的問題を映像・音楽も駆使し分かり易いVRコンテンツにする事で、多くの賞を受賞されています。VRが、難しい問題を分かり易く体感するのに適した手法である事がよく分かりました。
次回は、SVVRで取り上げられた、医療分野の適用方法についてご紹介します。医療分野は、ビジネス分野のVR/AR/MRの適用範囲先として最も注目されているそうです。