昨日に続き、ビジュアルデザインの堀江と企画制作の後藤がシリコンバレーで開催中の「SVVR2017」についての話題を現地からお伝えします。(3/30の記事はこちらから)
SVVRでは各VR技術に関わっている方のセッションがありました。今日は、その中で興味深いセッションを取り上げます。最初のセッションは投資会社(Digi-Capital)によるVR市場の予想です。
現在、VR市場は大きく分けて、1万円以下の手軽なモバイルVRとしてGear VR、Google Cardboard、4万円前後のミドルエンドVRとしてPS VR、Windows VR、10万円前後のハイエンドVRとしてHTC vive、Oculus Riftのラインナップに区分することができます。
この投資会社はモバイルAR/VRを中心に今後、大きく市場が伸びていくと予想しています。これはインストールベースの予想なので、モバイル機器が買い替えサイクルが早く、アプリや専用機器が今後、標準的になっていくだろうというのもその理由としてあります。注目はメガネ式のAR/MRが今後伸びると予想されていることです。
この投資会社のVR/AR市場に対する長期的なビジネスモデルは、ハードウェアデバイス、広告、eコマース分野への投資を中心に構成されていますが、ネットショッピングやBtoBに将来性を感じていることに注目です。VRは初め、ゲーム分野で注目されましたが、この投資銀行は非ゲーム分野に将来性を感じているようです。
また、これから投資を得たいと考えているスタートアップ企業に対しては、投資会社に対してマトリックス(市場に対する自社の位置づけ)を示すことが重要だと話していました。
2016年はARやソリューション分野への投資が多かったそうです。
続いてのセッションはNoitomという中国の会社で、モーションキャプチャー技術を使ってBtoB分野向けにカーシミュレーターやゲームなどを開発しています。
この会社のモーショントラッキングは同時に複数の体験者のトラッキングを行うことができるため、教育分野での活用を見込んでいるそうです。
中国では今非常に多くのVRアプリが開発されていますが、滞在時間が短いことが課題だそうです。もしかしたらVRは個人の趣味のゲームよりも、BtoBや教育分野、ゲームセンターに向いているのかもしれません。
そして、こちらはアイトラッキングデバイスを開発しているtobiiという会社です。目の動きや瞬きを検知することができるので、SNS上のアバターに同じ動きをさせることができます。セッションではこれを利用したトランプゲームが紹介されていました。
私も実際に体験しましたが、すごく高い精度で目の動きを追ってくれます。SNS上の相手とアイコンタクトを交わすことができると、相手が目の前にいる感覚がとても高くなります。特にロボットと目が合うとこちらに顔を向ける感覚はとても新鮮でした。
デモではこの他に目線を利用したシューティングゲームや、目線でメニュー選択ができるショッピングサイトでの応用例が紹介されていました。現在、VRのメニュー選択ではモーションコントローラーや顔の向きを利用したシステムが主流ですが、狙うのが難しかったり、顔を動かすのに疲れたりという問題があります。目線トラッキングではこれら問題を解決し、より思い通りの動きを素早く行うことができます。今後、VRでは欠かせない機能になることが予想されます。