
SNSブランディングとは、SNSを活用して企業やブランドの価値や認知度を高める手法のことです。
SNSの運用だけでブランディングは完結しません。しかし、現代のデジタルマーケティングにおいて、SNSは企業が消費者個人と直接コミュニケーションを図るための重要なプラットフォームとなっています。SNSの活用により、ブランドは迅速に情報を発信し、顧客とのエンゲージメントを深めることが可能です。
本記事では、SNSブランディングが注目される背景や実施のメリットに加え、始め方についてもまとめています。SNSブランディングに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 目次
SNSブランディングとは

SNSブランディングは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用して、企業がブランドの価値や製品の認知度を高める手法です。
SNSとは、インターネットを利用して誰もが手軽に情報を発信し、やり取りを行える双方向のサービスを指します。代表的なものとして、InstagramやX(旧Twitter)、TikTok、Facebookなどがあります。
SNSは情報の拡散スピードが速いことに加え、企業と消費者が直接つながれる特性を持っています。企業はSNSを活用することで、広告では伝えきれないブランドのストーリーや世界観を発信でき、共感を生み出しやすくなります。
しかし、ただSNSで発信するだけではブランディングは成り立ちません。SNSブランディングを成功させるためには、後述するCX(顧客体験)の全体を理解し、全体のブランディングのなかで実行すべき施策を定義することが大切です。そのうえで、SNSが果たす役割を明確にしてから運用に移る方法がおすすめです。
ブランディングについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事|ブランディングとは?意味や目的・課題別の取り組み方も紹介
SNSブランディングが注目される背景

SNSブランディングが注目される理由には、スマートフォンの普及とソーシャルメディアの利用者数増加があります。
SNS利用者は全世界で50億人を超え、その数は年々増加しています。企業はターゲットとなる顧客に対して、従来の広告手段よりも効果的かつ効率的にリーチできるようになりました。SNSは消費者の意見が瞬時に広がるため、口コミ効果を活かしたブランド認知の向上にも大きな影響を与えています。
また、デジタル化が進む現代社会では、消費者が情報を得る手段としてSNSが主流となっています。特に若年層においてこの傾向が顕著であり、スマートフォンを通じて日常的にSNSを利用するユーザーが多く存在します。
このような背景から、SNSは企業がターゲット層にリーチするための強力なツールとなり、重要性が高まっているのです。
SNSブランディングの効果

SNSブランディングによって期待できる効果について解説します。ブランディングにSNSを活用することで、以下のような効果が見込めます。
- ブランド認知度の向上
- 顧客のエンゲージメント強化
- 顧客ロイヤルティの強化
- UGCの増加
- 売上の増加
ブランド認知度の向上
SNSブランディングを成功させることで、ブランド認知度の向上が期待できます。ターゲット層に適したコンテンツを発信すれば、ブランドの存在感を大幅に高められます。
例えば、ある調査ではインフルエンサーを起用したYouTubeタイアップ投稿、X(旧Twitter)動画広告施策を実施した結果、ブランド認知度が34.8%、46.6%向上していることが分かっています。
また、SNS上でブランドの露出を増やすことで、消費者のブランド認識を高め、購買意欲を刺激することもできます。
顧客のエンゲージメント強化
SNSは、ユーザーの行動を引き出すことに適したツールです。コメント、シェア、リアクション、アンケート回答など、ユーザーが能動的にブランドと関わるきっかけを数多く提供できます。
例えば、X(旧Twitter)でのQ&Aセッション、Instagramのストーリーズでの投票機能などは、顧客の参加意欲を高める仕組みとして効果的です。こうしたアクションが蓄積されることで、ブランドに対するエンゲージメント(関与度)が高まり、ユーザーとの双方向の関係が深まります。
また、SNSでのインタラクションから得られる顧客の反応やフィードバックは、製品・サービスの改善や新規施策のヒントにもなります。
顧客ロイヤルティの強化
エンゲージメントを通じた継続的な接点が、やがてユーザーの感情に働きかけ、ブランドへの信頼や愛着、すなわちロイヤルティへとつながります。SNSでは、単なる発信ではなく、一貫したメッセージや感情に訴えるコンテンツが鍵です。
ブランドの世界観に共感したユーザーは、顧客やファンとして強いロイヤルティを抱くようになります。
例えば、顧客の声を紹介する投稿や長年応援してくれるファンに向けた限定コンテンツなどは、「自分は大切にされている」と感じさせ、信頼関係をより深めます。その結果、継続的な利用、リピート購入、さらには知人への紹介など、ロイヤルカスタマーとしての行動を期待できるようになります。
UGCの増加
UGC(User-Generated Content)とは、顧客がオンライン上で生成して発信するコンテンツの総称です。SNSブランディングにより、自社やブランドに関するUGCの増加も見込めます。
製品やサービスに関するレビュー、ブランドにまつわる動画などが広がれば、より認知度も向上するでしょう。また、製品の購入を検討している人への購入促進にもつながります。
売上の増加
SNSを活用したプロモーション活動により、売上の増加も期待できます。成功事例のなかには、キャンペーンを実施した後に売上が50%以上増加したケースも見られます。
特に、限定商品の発売や期間限定のキャンペーンなどをSNSで告知すると、顧客の購買意欲を刺激し、売上につなげることが可能です。また、SNS上での口コミ効果により、消費者同士の情報共有が促進され、ブランドの知名度が広がることで、さらなる売上増加が期待できます。
SNSブランディングのメリット

続いて、SNSブランディングのメリットを見てみましょう。
- 低コストで運用できる
- リアルタイムで情報を発信できる
低コストで運用できる
SNSは無料で利用できるため、広告費用を抑えて広範囲にブランドメッセージを届けることが可能です。
例えばInstagramのキャンペーンでは、少額の予算で数十万リーチを達成した例もあります。また、SNS広告は従来のテレビ広告や新聞広告と比べて、コストパフォーマンスが高いことも特徴です。
特に予算の限られた中小企業やスタートアップ企業にとって、SNSは有効なマーケティング手段であるといえるでしょう。
リアルタイムで情報を発信できる
SNSはタイムリーに情報を発信し、消費者の反応を迅速に得ることが可能です。そのため、市場の変化に即座に対応できるのも大きなメリット。例えば、X(旧Twitter)やInstagramのストーリー機能を活用することで、リアルタイムでのキャンペーンやプロモーションを効果的に展開できるでしょう。
SNSブランディングのデメリット

SNSブランディングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。SNSブランディングに取り組む際は、以下のデメリットを押さえておきましょう。
- 炎上のリスクがある
- 管理が難しい
- すぐには成果が出ない可能性がある
炎上のリスクがある
1つ目のデメリットは、炎上のリスクがあることです。
誤解を招く投稿や対応のミスが生じた場合、SNS上でネガティブな反応が急速に拡散し、ブランドイメージを損なう恐れがあります。炎上を避けるためには、日頃から適切なリスク管理が欠かせません。
炎上が起きた際には迅速に対応し、透明性のあるコミュニケーションを取ることが重要です。また、SNS運用を行う際には常にリスクを考慮し、投稿内容や対応方法に注意しながら慎重に検討しましょう。
管理が難しい
2つ目のデメリットは、管理が難しいことです。
複数のSNSを効果的に運用するには、多くのリソースと戦略的なアプローチが欠かせません。目的やゴールが曖昧なまま情報を発信していても、期待した結果を得られない場合があります。
特に、海外からも注目される大企業や多国籍企業では、各国の文化や言語に配慮したコンテンツを作成する必要があります。さらに、それぞれのコンテンツで一貫性のあるメッセージを発信する必要があるため、その分リソースの負担も大きくなります。
すぐには成果が出ない可能性がある
3つ目のデメリットは、すぐには成果が出ない可能性があることです。特にフォロワーが少ないうちは、投稿に対する反応も限定的になりがちです。しかし、そこでやめてしまうとブランディングは成功しません。
「今すぐ成果が欲しい」という状況では不向きな場合もあることを踏まえて、長期的な視野で取り組みましょう。地道な発信と試行錯誤を重ね、長期的にブランドの世界観を育てていく姿勢が重要です。
SNSだけではブランディングは完結しない
SNSはブランドを広めるうえで有効な手段ですが、単体ではブランディングを確立することはできません。ここでは、ブランディングにおけるSNS運用の位置づけについて解説します。
- SNSはブランド体験の一部にすぎない
- CX全体を設計してはじめて意味を持つSNS運用
SNSはブランド体験の一部にすぎない
SNSは、あくまで顧客接点のひとつであり、SNS運用だけではブランディングは完結しません。土台として、ブランドの理念(ミッション・ビジョン・バリュー)やペルソナ設計、CX(顧客体験)設計などが整っている必要があります。
もしブランディングの土台が整っていない場合は、SNS運用に取り組む前に見直しが必要です。そのうえで、SNSをCX(顧客体験)のどのような位置づけにするのか、誰に向けた発信を行うかなどを明確にしましょう。
CX全体を設計してはじめて意味を持つSNS運用
CXとは、Customer experienceの略語で、顧客がブランドとの接点において経験する体験のことを指します。SNSでどれだけ魅力的な発信をしても、商品やサービスのCXが整っていなければ、顧客の期待は裏切られてしまいます。
例えば、購入時のECサイトが使いにくかったり、問い合わせへの対応が遅かったりすると、SNSで受けた良い印象は失われてしまうでしょう。
店舗での接客、製品の梱包、利用後のサポート、WEBサイトの構造など、顧客がブランドにふれる場面すべてが体験の一部です。SNS運用は、このようなCXや他チャネルでの発信と整合性を持たせる必要があります。
ブランドの世界観が統一されていれば、SNSの投稿にも説得力が生まれるでしょう。
SNSブランディングにおすすめのプラットフォーム
SNSと一口に言っても、それぞれ特性や利用者層が異なります。ブランディングにおいては、どのSNSを使うかによって届く相手も伝え方も変わってきます。
ここでは、代表的なSNSの特徴と活用のポイントを紹介します。以下に比較表もまとめたので、参考にしてみてください。

Instagramは視覚的な訴求力が強く、ブランドの世界観を伝えるのにおすすめです。写真や動画を活かした投稿が中心で、ファッション、飲食、ライフスタイル関連のブランドと相性が良い傾向にあります。
検索機能があるため、ハッシュタグを活用することで興味関心のあるユーザーに届きやすくなります。また、リールやストーリーズの活用により、日常感のある情報も届けやすく、フォロワーとの距離感を縮めやすい点も魅力です。ビジュアルにこだわりたいブランドにおすすめします。
X(旧Twitter)
短文での迅速な情報発信とリアルタイムでのトレンド参加が可能なプラットフォームです。トレンドに対して素早く反応できる点が強みです。
速報性が求められるニュースやキャンペーンの告知、リアルタイムでの発信などに向いています。拡散性が高く、話題性のある投稿は一気に注目される可能性があります。
ユーザーとのフラットなやり取りも生まれやすく、ブランドへの親しみやすさも感じてもらえるでしょう。ユーモアや時事性のある発信を行いたい場合におすすめです。
YouTube
世界最大の動画共有プラットフォームで、動画コンテンツを発信するツールとして有力です。以前は長尺の動画が主流でしたが、最近ではYouTubeショートも注目を集めています。視覚と聴覚を使ったストーリーテリングが可能で、ブランドの魅力を深く伝えられる点が特徴です。
製品レビューやチュートリアル、企業の舞台裏を紹介する動画を制作すれば、より親密なブランド体験を提供できるでしょう。また、YouTube広告を活用することでターゲット層に効果的にリーチし、コンバージョン率の向上を図ることも可能です。
SEOを意識した動画タイトルや説明文を設定することで、検索エンジンからの流入も期待できます。
使用している年齢層の幅が広く、ビジネス情報の発信やコミュニティ形成に使われるプラットフォームです。
Facebookでは、グループを活用して顧客とのコミュニティを形成できます。例えば、ブランドに関連するテーマのグループを作成し、ユーザー同士が意見交換を行う場を提供することも可能です。顧客とのつながりを強化したい場合におすすめです。
TikTok
短時間でインパクトを残せる縦型動画のプラットフォームとして、Z世代などの若者を中心に利用が広がっています。
フォロワーではない層にも「おすすめ」として表示される可能性があり、拡散力の高さが魅力です。ショートドラマや商品紹介など、身近な形で自然にサービスを紹介できる点がメリットです。
一方で、スワイプひとつで離脱されてしまうため、冒頭のつかみで興味を引けるような工夫が必要です。エンタメ性を取り入れながら、親しみやすい発信をしたいブランドにおすすめです。
【4ステップ】SNSブランディングの始め方

SNSブランディングの始め方を解説します。
- ブランドコアの見直し・策定
- CXの全体・SNSの役割設計
- 戦略策定
- 施策の実行
1. ブランドコアの見直し・策定

先述の通り、ブランディング全体の設計なしにSNSを運用しても効果は得られません。そのため、まずはブランドコアの見直しや策定を実施しましょう。ブランドコアとは、自社、顧客、従業員それぞれのありたい姿の重なる部分のことです。
自社のありたい姿は、企業や商品が顧客にとってどうありたいかなど、企業として目指すべき姿や理由を指します。顧客のありたい姿は、顧客が企業や商品に望むことを意味します。そして、従業員が企業に希望すること、競合ブランドができないことを含めて、ブランドコンセプトを定義し、ブランドコアの明確にさせます。
また、ブランドコアの重要な要素であるMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の3つが整理されているかもチェックしましょう。すでに定義済みであっても、SNSで発信するにあたって再確認することがポイントです。
関連記事|ミッション・ビジョン・バリューとは?事例から作り方までご紹介
2. CXの全体・SNSの役割設計
次に、CX(顧客体験)の全体を設計したうえで、SNSの役割を明確にしていきます。
SNSはあくまでブランドのCXの一部です。製品のパッケージや店舗での接客、ECサイト、アフターサポートなど、顧客とのあらゆる接点と整合性を持たせる必要があります。
まずは顧客がどのようなルートでブランドにふれるかを整理し、SNS以外のチャネルも含めて、ブランドの情報発信がどのように行われているか把握しましょう。そのなかで、SNSが担う役割を明確にしていきます。SNSがどの段階でどのような感情を喚起し、次の行動につなげるのかを設計しましょう。他のチャネルとのつながりを意識することで、一貫したブランド価値を提供できます。
この作業では、適切なペルソナやカスタマージャーニーを設定することが大切です。ペルソナは、自社の商品・サービスを利用する顧客像を指します。カスタマージャーニーは、顧客が商品・サービスを認知し、興味・関心を持ち、利用や購買に至るまでのプロセスにおいて、顧客の行動や感情、思考の変化を旅になぞらえてビジュアル化したものです。
具体的なやり方は「ブランディングでも重要なペルソナ設定。その解像度を上げるポイントとは?」「ブランディングにおけるカスタマージャーニーマップの活用法」をご覧ください。
なお、ペルソナを作成するには以下のポイントを抑える必要があります。
- 顧客の解像度を深めること
- ペルソナを設定する
これらのポイントは、フリーランスエンジニア・クリエイター向け案件・求人検索サイト【フリーランスHub】のブログ「ペルソナ設定で得られるメリットとは?作成時のヒントになるブログ記事を紹介」でも取り上げられています。ペルソナ設定を基本から学びたい方は、合わせてお役立てください。
3. 戦略策定
ここまでで整理した内容をもとに、SNSで何をどう伝えていくかを戦略に落とし込みます。顧客が望み、自社が取り組み可能かつ競合ができないことを軸に、情報発信のコンセプトとルールを定めましょう。
そのうえで、どのプラットフォームが自社に適しているのかを見極めて、使用するプラットフォームを選定します。
また、効果を測定するためのKPI(重要業績評価指標)の設定もこの段階で行いましょう。追うべき数値として、例えばエンゲージメント率やフォロワー数の増減、WEBサイトへのトラフィックなどがあります。KPIを設定しておくことで、効果的な施策や改善ポイントなどを分析しやすくなります。
関連記事:ブランディングを強化するKPIとは? | 大伸社コミュニケーションデザイン
4. 施策の実行
SNS施策を実行に移すフェーズでは、投稿内容の企画、スケジュール管理、ビジュアル制作、モニタリング体制の整備など、日々の運用業務を具体化していきます。計画した戦略を実践に落とし込み、継続的に改善を重ねながら進めましょう。
同時に、社内全体での共通認識の形成も欠かせません。SNSブランディングは、SNS担当者だけの仕事ではなく、営業やカスタマーサポートを含む全社的な対応が求められる活動です。
例えば顧客がSNS経由で問い合わせを行った場合、SNS投稿に限らず、その後の営業担当やサポート担当とのやり取り全体が、顧客にとってのブランド体験となります。この一連の接点において、対応やメッセージに一貫性がなければ、顧客のブランド印象は損なわれてしまう可能性があります。
そのため、SNS運用に携わるチームだけでなく、関係部門ともブランドの方針やトーン・マナーを共有し、一貫した顧客対応ができる体制を整えることが重要です。戦略の実行においては、社内外の連携を重視し、統合的なブランディングを目指しましょう。
SNSブランディングを成功させるポイント

ここからは、SNSブランディングを成功させるポイントについて解説します。
- コンテンツの一貫性を保つ
- 顧客との双方向コミュニケーションを意識する
- データに基づいて改善する
- SNSだけで完結せず、他チャネルと連動させる
コンテンツの一貫性を保つ
ブランドイメージを保つために、SNSで発信するコンテンツのトーンやビジュアルを統一することが重要です。
一貫性のあるコンテンツは、ブランドの信頼性を高め、ブレのないメッセージを届けることができます。異なるプラットフォームであっても、ブランドの核心となる要素を統一することで、顧客が異なるチャネルを通じて同じブランド体験を得られるようになります。
ブランドの認知度が向上し、消費者に対するインパクトも強まるでしょう。
顧客との双方向コミュニケーションを意識する
SNSを運用する際は、顧客との双方向のコミュニケーションを意識しましょう。コメントやメッセージがあれば迅速に対応し、顧客との信頼関係を強化します。
また、顧客からのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢も大切です。SNSを通じて顧客と直接コミュニケーションを図ることでニーズや要望を理解し、求められる製品やサービスを提供できるようになります。
データに基づいて改善する
データに基づいて分析し、改善を重ねることもポイントです。効果的な施策は強化し、改善が必要な点は速やかに修正します。データに基づいた分析を行うことで、SNS戦略の効果を客観的に評価し、次回以降の施策に反映できます。
例えば、投稿のエンゲージメント率やクリック率を分析すれば、どのコンテンツが効果的であったかを把握できます。数値化された情報をもとに今後の投稿内容を調整することができるため、より効果的な施策を実施できるようになるでしょう。
SNSだけで完結せず、他チャネルと連動させる
SNSだけで完結せず、他チャネルと連動させることも意識しましょう。
例えば、投稿からECサイトへのリンクを貼る、キャンペーン情報を特設ページや店舗で展開するなどの工夫ができます。他チャネルとの連動により、顧客との接点をより深められるでしょう。
発信の場を分けて考えるのではなく、それぞれのチャネルをつなげ、ブランドとして一貫した体験を設計していくことが重要です。
SNSブランディングの成功事例

最後に、SNSブランディングの成功事例をまとめました。
- ハーゲンダッツジャパン
- ナイキ
- ユニクロ
- 無印良品
- 吉野家
ハーゲンダッツジャパン
ハーゲンダッツジャパンは、Instagramでのビジュアル重視の投稿と、X(旧Twitter)での参加型キャンペーンを展開しています。プラットフォームごとの特性を活かした戦略を採用しており、特にInstagramでは視覚的に美しい商品写真が多くの「いいね!」を獲得しているのが特徴です。ブランドの高級感を強調しています。
また、X(旧Twitter)ではフォロワー参加型のキャンペーンを展開し、消費者とのエンゲージメントを強化しました。SNSを通じてブランド価値を高め、顧客のロイヤルティを向上させた事例です。
ナイキ
ナイキはInstagramやX(旧Twitter)の運用を積極的に行っています。インパクトのあるビジュアルと共にブランドメッセージを発信しているのが特徴です。「Just Do It.」というキャッチフレーズを通じて、挑戦することの重要性やスポーツの力を訴えかけ、多くの消費者に共感を呼び起こしています。
また、ナイキはSNSを通じてユーザー生成コンテンツ(UGC)を積極的に活用していることも特徴です。顧客が自身のスポーツ活動やナイキの製品を使用する様子を投稿することで、ブランドのエンゲージメントを高めています。
ユニクロ
ユニクロは、グローバルに展開するファッションブランドとしてSNSを効果的に活用しています。
例えばInstagramでは、シンプルで洗練されたユニクロらしいスタイルを強調するビジュアルコンテンツを採用しています。実際に多くのフォロワーを獲得しています。X(旧Twitter)では、シーズンごとの新作発表やセール情報をタイムリーに発信し、消費者の購買意欲を高めています。
また、ユニクロはSNS上で顧客とのコミュニケーションを大切にしていることも特徴です。顧客からのフィードバックを元に製品改善を行うなど、顧客中心のブランド戦略を展開しています。
無印良品
無印良品は、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどを活用して、商品の使い方や選び方などの投稿に力を入れています。「これがいい」ではなく「これでいい」というコンセプトをベースに、機能的でシンプルな生活雑貨などの情報を発信しているのが特徴です。
一貫したブランドメッセージを軸に発信を行うことで、商品はもちろん、無印良品のブランドそのものの認知拡大を実現している事例です。
吉野家
吉野家は、ブランドカラーであるオレンジ色を用いたSNS発信が特徴です。InstagramやYouTubeでは、ブランドカラーのオレンジを用いた画像やテキストを使用するなど、ブランドの一貫性を意識しています。
また、主婦層に人気のInstagramを通じて、冷凍食品を使った手軽なアレンジレシピを発信。忙しい日でも簡単に準備できるメニューとして人気です。さらに、「#おうち吉野家」というハッシュタグを導入したことで、UGCも盛んに発信されています。
SNSブランディングに関するご相談は大伸社コミュニケーションデザインまで
SNSブランディングの概要や効果、始め方などを解説しました。SNS運用はブランドの価値を伝えるうえで欠かせない手段です。
しかし、SNS単体でブランディングを完結させることはできません。SNSはあくまで顧客との接点のひとつであり、CX全体の一部として戦略を立てることが重要です。
SNSを効果的に活用したい場合は、まず全体設計から見直すことが成功への近道です。商品やサービス、WEBサイト、広告、接客体験などと矛盾がなく、一貫したストーリーとしてまとまっていることが、ブランドへの信頼や共感を生み出します。
とはいえ、自社にノウハウのない状態でブランディングの土台を見直すことは難しいものです。これからSNSブランディングに取り組もうと考えている方は、ぜひ、株式会社大伸社コミュニケーションデザインにご相談ください。
ブランディングに関するプロが、ブランドアイデンティティの定義や、成果のでるSNSブランディングをサポートします。