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就職活動、採用活動の末、無事内定!就活生にとっても、企業にとっても、気持ちが高まる瞬間ですよね。
一方、内定辞退率は年々増加傾向にあるようです。25年卒を対象とした就職みらい研究所の調査では、年末時点で内定辞退率が65%以上。(参照:https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2025/03/naitei_26s-20250327.pdf)
そもそも内定辞退はなぜ起こるのでしょうか?
CXの観点から、就活生のジャーニーマップ(時系列での行動・経験・感情を可視化したマップ)を捉えると、以下のような理由が抽出されます。
(ジャーニーマップについて: https://www.daishinsha-cd.jp/blog/branding-customer-journey-map/)
〝一番行きたいと感じていた他の会社から内定がもらえた〟
〝会社説明会で感じていた期待と、面接フローで感じた印象とにGAPを感じて、志望度がダウン〟
〝選考を進める中で会社情報を深く調べるにつれ、マイナスな情報が入り不安を感じた〟
〝内定を受けたことを先生・親・友人に報告すると、辞めたほうがよいと助言された〟
〝内定承諾したものの、その後のフォローが何もなく入社後大丈夫か不安を感じた〟
〝内定から時間が経ち、本当にこの企業で良いのだろうかと疑問が湧いてきて、再度就活をはじめた〟
…
内定者の不安な気持ちに寄り添い、入社に向けた期待へと変換し、「この企業で働きたい」というポジティブな気持ちになってもらうためには、企業として何ができるのでしょうか。

昨今では、入社の意思決定における保護者の影響が大きく、本人だけの問題ではないという現状もあるようですね。マイナビ 就職活動に対する意識調査(参照:https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240213_69413/)によると、内定先を決める時に相談した相手は「親」が61.9%で、内定を辞退する理由に「親からの反対があった」と答える学生も増えているとのこと。企業から内定者の保護者に入社意思を確認することを、通称「オヤカク(親確)」と呼ぶようですが、上記の調査によると、子供の内定企業からオヤカクを受けたことがある割合は、半数以上の52.4%というデータも出ています。
内定者だけでなく保護者の思いにも目を向け、良い経験を創出し、エンゲージメントを高めていくことが重要だと感じます。
今回、内定後に私たちDCDが行った取り組みを3つ、ご紹介いたします。

①内定者と保護者に向けたパンフレットの制作
内定後の不安を払拭し、入社への期待を高めてほしい、いう思いで、内定者と保護者向けのパンフレットを制作いたしました。 印刷物として手渡しできることにこだわり、内定者と保護者に向けた「手紙」のような役割になれば、と、社長からの思いのこもったメッセージ、そして私たちDCDが目指すビジョンや大切にしている姿勢・行動指針を記しました。

情報量としては、保護者に確認の負担がかからないよう8ページのボリュームに。パッと見て理解しやすいよう、保護者が知りたいであろう情報は数字での訴求にこだわりました。

この「保護者が知りたいであろう情報」は何か、を整理する中で参考にしたのが、内定者の保護者の方からいただいたリアルな質問です。
〝御社の離職率を教えていただけますでしょうか?〟
〝月の残業時間はどの程度でしょうか?実績値を教えてください。〟
〝賞与支給について詳細を教えていただけますでしょうか?〟
…
これらは、内定者との面接・面談時にはなかった質問で、まさにオヤカクシーンでの会話から出てきた質問となります。
それ以外にも〝業績面での成長はあるか〟〝どのようなビジネスで社会に貢献している会社なのか〟〝東京で一人暮らししていける給与はあるのか〟など、安定して働ける環境があるかどうかを気にされることから、定量情報と定性情報(社員からのリアルなコメントを掲載)をバランスよく掲載して仕上げていきました。
また、社内の雰囲気も感じ取っていただけるよう、働いている様子がわかる写真も挿入し、DCDの魅力を表現しています。

②内定者と保護者をお招きしてのオフィスツアー開催

「オヤオリ(親向けオリエンテーション)」という、内定者の親を集めた懇親会や説明会・オフィスツアーを行う企業が増えてきているようですね。
今回、25年4月入社の内定者の中に関西地方在住のメンバーがいることもあり、一人暮らしの家決めで東京に来るタイミングで、保護者の方と一緒にご来社いただきオフィスをご案内する、オフィスツアーを企画いたしました。
実際に当日保護者の方から、
〝働いている様子を見ることで、社会人になってからの様子がイメージできました〟
〝離職率や残業のことなど、聞いて良いのか迷う情報をきちんと開示してくれて安心できました〟
〝東京で一人で暮らしていけるのか、、とまだ不安はありますが、皆さんのお顔が見れて直接お話ができ安心しました〟
とのお言葉をいただき、私たちとしても4月から改めて気を引き締めよう、とマインドセットする機会にもなりました。
③内定者へのウェルカムボックスプレゼント
4月から社会人となりDCDで働くことにワクワクした気持ちをもってほしい、入社までの間の不安な感情を少しでもポジティブな期待に変換出来れば、という思いを込めて、入社後役立つ書籍3冊と、先述のパンフ、そしてDCDのクレドカード・ステッカー、読書のお供にコーヒー&チョコをラッピングしてプレゼントしました。 手書きのメッセージも添えてお贈りしたところ、喜びの声と共に、〝社会人になることが楽しみになりました〟との言葉ももらうことができました。

これら以外にも、内定者インターンシップや内定者同士の懇談会の開催、SNSを通した情報発信など、内定後にどうポジティブな感情を抱いてもらうかを考え取り組み、無事、内定者全員から内定承諾を得ることもでき、嬉しく思います。 4月から新たな仲間として一緒に働けることが楽しみです。
採用ブランディング・エンゲージメント向上・定着率向上に関して私たちが実践していることや、企業のご支援実績もたくさんございますので、ご興味ございましたらぜひDCDメンバーにお声がけください。
「求職者をファンにする」採用ブランディングの考え方とは https://www.daishinsha-cd.jp/blog/employer-branding/