こんにちは!アートディレクターの白木です。
今回は、6/29(火)に行われた、佐藤卓さんの講演会についてご紹介します。
こちらの講演会はオンライン配信で他社(大伸社グループ内)からも参加希望があり、
リアル・オンライン合わせて多数のメンバーが参加する講演会となりました。
佐藤卓さんって?
説明不要かとは思いますが、今回講演をして下さった佐藤卓さんは日本を代表する超有名アートディレクター。
有名なところだと、「ロッテ キシリトールガム」等の商品デザイン、「金沢21世紀美術館」等のVIデザイン、「にほんごであそぼ」などの番組企画など、分野に関わらず活躍されている凄い方です。
講演の内容
過去に携わられたお仕事の紹介から、デザインをする上で心掛けていること、そして、社会の中でデザインはどうあるべきか…など、非常に濃い内容のお話をして頂きました。
リアル会場の様子。ソーシャルディスタンスを守りつつ、多くの社員が参加しました。
今回非常に盛り沢山な内容で、そのどれもアートディレクターとして刺激的なお話でした。
その中で特に印象的だった3つをご紹介いたします。
1-自我について
沢山お話頂いた中で、個人的に印象に残ったのは「自我」に関するお話です。
私たち(特にクリエイティブ職!)一人一人には自我があり、「やりたい事」があります。
しかし、クライアントワークをするにあたり重要なのは、自我=やりたい事を押し通すのではなく、クライアントのためにやるべき事を常に考えること。
すぐに顔を出す自我を自覚し、それを抑える強い精神力がクリエイターには必要というお話でした。
自分もクリエイターとしてクライアントのために何かを生み出そうとする時、
自我が前に出ていた場面が無かっただろうか?と反省しきりでした……。
2-クライアントへの愛について
自我の話から始まり、クライアントとの関わり方の話が続きます。
丁寧なヒアリングでクライアントの意見をデザインに取り入れ続けることで、結果的にクライアント自身に「デザインに参加した」という意識を持って頂けること。
そうした結果、長く愛される商品が生まれてきた経緯をお話頂き、眼から鱗が落ちました。
また、質疑応答の場面では、弊社プランナーからの「ヒアリングの時に意識していること」の質問に対し、
「クライアントのことを知りたい、と本気で思うことが何より大切。
自分はクライアントに対して無知であることをまず自覚して受け入れ、
その上でクライアントがどういう思いで何を作っているかに本気で興味を持ち、向き合う。
クライアントに質問する時は仮説を用意しておくといいですよ」というアドバイスも頂きました。
特に私たちのようなBtoBの案件が多い制作会社では、複雑な商品やサービスを扱うクライアントも多く、クライアントの扱う商品やサービスを理解するのに苦労する事も……。
佐藤さんのクライアントへの情熱溢れる姿勢に、背筋が伸びる思いでした。
3-佐藤さんの目のキラキラが伝播する
そして、お話の内容は勿論のこと、内容とは別に印象的だったことがあります。
それは、時に楽しそうに、時に感慨深そうにお話をされる佐藤さんのご様子です。
次々に紹介されるお客様目線に立った工夫、そして考え抜かれたデザインに、
参加者からは思わず感嘆の声が漏れる場面もありました。
当時のエピソードや裏話にも触れつつ、まるで少年のようなキラキラした目でお話をされる佐藤さんのご様子は、きっとそれぞれのお仕事と本気で向き合われてきたからこそのもの。
それが肌で伝わる講演に、2時間の講演が一瞬に感じた参加者も多かったようです。
そんな佐藤さんの目の輝きが、講演を通じて参加者にも影響したようで、
講演後、キラキラした目で講演会の感想を言い合うクリエイティブチームの若手メンバーの様子が印象的でした。
「例えば、このペットボトルのラベルの部分はどうしてこんな形状なんだろう?と興味を持つことが大切です」と、例を交えつつ説明をして下さる佐藤さん。
おわりに
私たちの仕事は、クライアントのために、クライアントと一緒に何かを作り上げていくことです。
クリエイターとして、また一人の社会人として、とても重要なことを改めて教えて頂けた講演会でした。
佐藤卓さん、本当にありがとうございました!
今年5月に紫綬褒章を受賞された佐藤さんに、ささやかながらお花の贈呈。