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国立新美術館臨時休館により中止された「佐藤可士和展」観覧レポート

皆様こんにちは。

大伸社コミュニケーションデザインのアートディレクター・デザイナー、koreedaです。

 

はじめに、2021年4月25日(日)、東京では3回目の緊急事態宣言が発令され、政府からの要請もあり国立新美術館は2021年4月25日(日)より5月11日(火)まで臨時休館となりました。開催中であった話題の「佐藤可士和展」も会期変更(〜4/24まで開催)、中止とのことで、今のところ残念ながら会期延長・再開のお知らせはありません。

(4/26時点の情報です。詳細・最新の情報は美術館・展覧会公式サイトをご確認ください。)

4月22日(木)に放送された「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)にて佐藤可士和さんが出演されていましたが、視聴をきっかけに展覧会に行く予定を立てていた方も多かったのではないでしょうか。

 コロナ禍で展覧会に行くタイミングを慎重に検討されていた方も多く、展覧会中止の発表を受けSNS上では「残念」「早く行っておけばよかった」等の感想が散見されました。

 

そこで、残念ながら展覧会に行けなかった方にも少しでも展覧会の様子をお伝えするべく、2月に行った際の展覧会レポートを今回ご紹介させていただきます。

 

目次

・佐藤可士和さんとは?

・チケットの買い方

・美術館へのアクセス・入場方法

・展示内容

・国立新美術館のお子様連れのお勧め情報

 

 

◆佐藤可士和さんとは?

佐藤可士和さんは博報堂出身のクリエイティブディレクターで、数々の企業のブランドクリエイティブディレクションやトータルプロデュースを手掛けている方です。

詳しいプロフィールは下記をご覧ください。

 

佐藤 可士和(さとう かしわ)

クリエイティブディレクター

 

1965年東京生。

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。

株式会社博報堂を経て2000年独立。同年「SAMURAI」設立。

ブランド戦略のトータルプロデューサーとして、コンセプトの構築からコミュニケーション計画の設計、ビジュアル開発まで、強力なクリエイティビティによる一気通貫した仕事は、多方面より高い評価を得ている。

グローバル社会に新しい視点を提示する、日本を代表するクリエイター。

主な仕事に国立新美術館、東京都交響楽団のシンボルマークデザイン、ユニクロ、セブン-イレブン、楽天グループ、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、ふじようちえん、カップヌードルミュージアムのトータルプロデュースなど。

佐藤可士和展 プロフィールページより引用(https://kashiwasato2020.com/profile/

 

こちらのプロフィールにある通り、ユニクロ、セブンイレブン、楽天…など、私たちの日々の生活に身近な企業のお仕事を多くされています。皆様も一度は見たことがあるロゴやデザインばかりではないでしょうか。

今回の展覧会は佐藤可士和さん過去最大級の個展です。約30年にわたる活動の全貌がわかるというビッグプロジェクトで、デザイナー界隈では開催前から話題になっていました。

 

デザインを学ぶ方、デザイン関連のお仕事をされている方だけではなく、企業の開発や広報・企画に携わる方、お子様にデザインやアートに触れる機会を与えたい方などに特におすすめの内容になっていました。非常にロジカルなお仕事の進め方がわかる、ご本人による音声ガイドは、デザインに詳しくない方も十分楽しめるものでした。また、佐藤可士和さんは「佐藤可士和の打ち合わせ」、「佐藤可士和の整理術」(ともに日経ビジネス人文庫)などのビジネス書も出されています。アートやデザインにとっつきにくい方はこちらの本から入るのもいいかもしれません。

 

チケットの買い方

展覧会は中止になってしまいましたが、今後のご参考のため、チケットの購入方法をご紹介させていただきます。

まず、基本ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、都内の各施設ごとに様々な対策をされているので行かれる際は必ず公式サイトでの確認が必要です。

 

本展覧会は、無料招待券などがない場合は、日時指定観覧券を事前にwebで購入すると入館がスムーズでした。当日会場販売の当日限定チケットもありましたが、数に限りがあり、来館時に予定枚数が終了している場合があるので注意が必要とのことでした。

日時指定観覧券はチケットぴあ、楽天チケット、展覧会オンラインチケットのいずれかより購入ができたので、家にいながら予約完了まで手続きができ、助かりました。

 今後のご参考までですが、大体このような大規模で話題の展覧会は開催直後、会期終了間際、開催期間中の連休などが混む傾向になるので、早めの予約手続きや、混雑の時期を外して観覧することをお勧めします。

 

◆美術館へのアクセス・入場方法

前置きが長くなりましたが、早速、会場についてご紹介して行きたいと思います!

国立新美術館は乃木坂駅、六本木駅よりいずれも徒歩5分以内で行ける便利な立地となっています。黒川紀章さん設計のこの建物は外観も個性的で面白く、美しいガラスカーテンの曲線に圧巻でした。美術館は建物自体もこだわった造りのものが多いので楽しいですよね。

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私は日時指定観覧券を購入して平日に行きましたが、展覧会入り口の前に列ができており、混雑を避けるために少し待たされ、順番に案内されました。日時指定観覧券を買ったとしても、必ずその時間にすぐに入場できる訳ではないので、時間に余裕を持って来館した方が良さそうです。

列は間隔を開けて並ぶ形でコロナ対策はしっかりと取られていました。

 

◆展示内容

まず入場すると「音声ガイド」の案内があり、QRコードを読み取ることで手持ちのスマートフォンで無料で聴くことができました。(展示室内の無料Wi-Fiもあり)

作品についてはご本人が解説されており、企業から相談や課題を受けてどう思ったか、プロジェクト全体の難点、どのような意図で戦略を考えたか等が語られ、まるで打ち合わせ現場にいるかのような感覚になり、非常に面白かったです。

 最初の展示スペース1[THE SPACE WITHIN]ではなんと佐藤可士和さんが小学5年生の時に描かれた『宇宙』というコラージュ作品が展示されていました!また、博報堂入社当時、初めてコンピュータでデザインされた作品「6 ICONS」もあり、佐藤可士和さんのクリエイティブ作品の原点に触れることができました。

 

続いては2[ADVERTISING AND BEYOND]で博報堂から2000年に独立してクリエイティブスタジオ「SAMURAI」を設立した後の作品たちがずらりと並んでいました。今では街で見かけたものをSNSでアップして多くの人にシェアされて話題になる…という流れは常識ですが当時はまだスマホもSNSも今のように普及していなかったので、ここで展示されている街中の広告がアイコンになるという手法はかなり斬新なものだったようです。

 私もSMAPのプロモーションは当時とても話題になったのを覚えています。

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今回の展覧会では嬉しいことに、一部を除き、ほとんどの場所で写真撮影がOKでした!おかげで、巨大なアートワークやロゴを好きなだけ撮影することができました。

「これ懐かしいな」「好きだったデザイン!」「いつも見ているロゴがこんなに大きい!」等、写真を撮りながら見ている方がほとんどでした。

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こちらの会場で一つ、驚いたポイントがありました。KIRINの『極生/生黒』の広告では、その向かいにSMAPの広告があるため、銀箔の部分にSMAPの広告の青・黄・赤が映り込みLIVE感のある展示となっています。これは展覧会でしか体験できない経験だなと感動しました。

 

続く3[THE LOGO]では、佐藤可士和さんが手掛けたロゴが大集結!それも平面だけではなく、立体で、サイズも展示スペースを目一杯に使った超特大サイズです!

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ロゴはそれぞれのイメージ、カラーを元に様々な素材で作られていました。

企業のロゴがこんなにもアート作品のようになるなんて思ってもみなかったので、元々のロゴの持つクオリティの高さに驚くばかりでした。

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ミラー調の『Honda N』ロゴにユニクロや今治タオルのロゴが写っているのも面白いですね。

 

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床に展示されていたのは『SUIT SELECT』のロゴ。こちらはマットシルバーで木目調の床にキリッと美しい形を作り出していました。

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一番印象深かったのはこちらの楽天ロゴ。最初見たときはマゼンタ色だったのですが、だんだん色が変わり…映像まで流れてきて!よく見ると、中はディスプレイになっていました。

 

実は、佐藤可士和さんはこの展覧会のために、東京近郊に広い倉庫を借り、展示室と同じ高さの壁を作り原寸でのシミュレーションを何度も行われたそうです。確かに様々なクライアントのロゴやプロモーションを一つの空間にまとめ上げ、また観覧客に楽しんでもらうには細部にまで気を配らなくてはいけないことも多かったでしょうし、原寸でのシミュレーションは欠かせなさそうですね。

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こちらは思わず見入ってしまったロゴの設計図です。一つ一つの隙間、太さ、曲線までどこをとっても意味のないものはなく、説明がつくことが一目で分かり、その精密さに驚きました。ここまでの設計をしているからこそ、世界中でどのような媒体に展開されても同じロゴとして存在させることができるのかもしれませんね。

 

4[THE POWER OF GRAPHIC DESIGN]では『グラフィックトライアル』のポスターもありました。実はこちら、当時の展覧会に足を運んでおり「こんなに狂気じみたインクの重ね方を実験するなんて、、なんてストイックな方なんだろう」と圧倒された覚えがあるのですが、久々に見てもその印象は変わらずでした。ポスター実物ではインクの重なりの厚みまで観察することができました。

 

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5[ICONIC BRANDING PROJECTS]ではお馴染みのセブン-イレブンの商品パッケージがずらりと展示されていました。すぐそこの実際のセブン-イレブンでも今、売られている商品のパッケージをお金を払って美術館で見ている…という不思議な感覚になりましたがこのように並べられるとその規則性やルールなどが見えてきて新しい発見が色々ありました。

 

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後半ではスペースブランディングの事例が数多く紹介されており、最近話題になったものも多く見られました。こちらのくら寿司の店舗はお洒落すぎると話題で気になっていたところです。

 

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6[LINES/FLOW]では佐藤可士和さんのアイコンとなる、アートワークを鑑賞。商業色の強い展示から始まり、最後はアートワークで終わる(この手前にPVなどもありました)…盛り盛りの内容で大満足でした。

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そんな満ち足りた気持ちの出口直前には特設のUT STOREが出現!なんと実際に買うこともできるようになっていました。

私は本展覧会の図録とSAMURAI20thが特集されているデザインノートを購入しました。図録は展覧会の内容が惜しみなく掲載されていて、とても良かったです。バイブルにします。

 

以上、勢いで展示内容をご紹介しましたが楽天パンダファンの方のために、休憩室にいた「佐藤可士和展オリジナルジャイアントお買いものパンダ」の写真を載せておきます。大きくてとっても可愛かったです。

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◆お子様連れのお勧め情報

コロナ禍ではご家族(同居家族)での外出をご検討されている方もいると思いますので、国立新美術館におけるお子様連れの方に向けた情報もご紹介します。

国立新美術館は美術館自体がエントランスは吹き抜け、開放的で通路部分も広く、ゆとりのある空間となっています。展示室に入るまでの空間でも、お子様にとってはいつもと違った刺激を得られる場となっています。企画展の内容によるところではありますが、国立新美術館は視覚的にもインパクトのある展示をされていることが多く、未就学のお子様から楽しみやすい美術館かと思います。私も2017年に同館で開催されていた企画展『草間弥生 わが永遠の魂』には当時1歳の子どもを連れて鑑賞に行きましたが、大きなオブジェクトや絵画に子どもも大興奮で十分楽しめました。

また、美術館の入り口には貸し出しの車椅子14台、ベビーカー9台がありました。詳しくはバリアフリー情報をご覧ください。https://www.nact.jp/information/barrierfree/

地下1階には授乳室があり、各階の多目的トイレにはオムツ替えシートがあるので小さなお子様連れにも安心の施設ですね。

 

近くの東京ミッドタウンも、綺麗な芝生があったり、子供フレンドリーなお店が多いので過ごしやすいエリアだと思います。

 

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以上、国立新美術館で4月24日まで開催されていた佐藤可士和展のレポートでした。

 

※こちらの情報は4月26日時点のものです。

最新の情報をお知りになりたい方は必ず下記のサイトをご確認ください。

 

展覧会情報: https://kashiwasato2020.com/

国立新美術館:https://www.nact.jp/

 

 

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