私たちは、デザインのチカラで、ターゲットに向けて、お客さまの製品やサービスをより伝わりやすく変換し、結果的に、商談機会や受注、売り上げに貢献するためのクリエイティブチームです
今日はつい最近、某産業機械メーカーさんのお仕事で、新製品の産業用インクジェットプリンタのプロモーション映像案件に参加させていただいたお話し。
産業用インクジェットプリンタとは、あなたのご家庭にあるような一般的なプリンタとは違い、日々の買い物の際、スーパーやコンビニで売っている「PETボトル飲料」や「ヨーグルト」に賞味期限や消費期限などの数字を印字するための非接触プリンタのことです。ですから売り先は、一般ユーザーではなく、食品メーカーや製造工場などの最終製品に仕上げる工場や設備担当、購買担当の方々がターゲットになります。
今回のプロモーション対象のインクジェットプリンタは、産業用で一般家庭にあるようなスマートでインテリア映えするプリンタとは違い、無機質で無骨で、どう見てもカッコよく見えない機械の魅力探しが課題でした。
そんな機械をカッコよく見せるために、売り手の説明を単にビジュアル化するのではなく、買い手が手に入れた後の満足感をイメージできるような見せ方に変換して、どうしたらターゲットまで魅力が伝わるかを考えることから始めました。
購入動機は、導入後の「余韻・後味を楽しむこと」という視点
はじめに考えたのは、買い手が機械を手に入れた後に持つ満足感とは、何かということ。
機械購入後の満足感は、自社の工場ラインで売り物がどんどんライン生産されている様(さま)を
ビジュアル化することで、生産量拡大や生産の効率化を連想させるシーンに共感いただくこと。
しかし、稼働している工場ラインは機密情報が多く、見た目も決してキレイとは言えず、事例写真での見える化は不可能という結論にたどり着きました。
写真が無理なら、3D/CG でつくってしまうという作戦で、工場ラインをモデリング化し、架空ながらもリアルでキレイな生産シーンをCG で再現。
結局、工場やメーカーは、単にプロダクトが欲しいのではなく、導入後の余韻といいますか、後味
を楽しむために機械を購入する、という視点の転換が重要なんだとあらためて気づかされました。
結局、機械をカッコよく見せるテクニックとは、機械の見せ方にあるのではなく、買う側にとって、他との差がわかりやすく、印象に残る表現を探し、つくり、再現することで、売り手より買う側の立場で欲しくなるような伝わりかたをする工夫と言えるのではないでしょうか。
「見せる」から「魅せる」への世界観ジャンプ
次に考えたのは、機械の魅力を新鮮に目新しく印象づけできないかということ。
本製品は、海外で多く使われているということもあり、日本製品のつくりの良さを和製のからくり人形に託し、からくり人形から放たれる細くて鋭い弓矢に非接触で文字を印字するという演出を誇張して映像化。製品の特長を清潔な白の世界観で端的に見せ、海外から見た日本製の安心感や信頼感を重ね合わせて印象づける工夫をしました。さらに、「舞い散る桜吹雪」の演出を追加提案させていただき、日本文化の印象強化と、ドラマティックなシーン演出で仕上げることになりました。
私たちクリエイティブチームは、こんな専門性のある製品が魅力的にターゲットに伝わるよう、日々新しい手法や切り口で、見せる→魅せる挑戦を続けています。こんなテーマが好きな人、興味ある人、お気軽にご意見お待ちしています。
企画制作 黒木進次